本研究では東アジア地域を核にしながらも東南アジア地域との関連づけを考え、これらの地域で発現している「多文化社会の中での社会的リスク問題に対して、ソーシャルワーカーの対人援助サービス実践はどのような理論モデルで対応して行くべきか」を追求してきた。とりわけ、この地域に特有な外国人労働者・移住(Migrant)女性を対象にした多文化社会問題、国際結婚問題、子育て問題を主なる研究対象として、その実態を明らかにすることを目的としてきた。また質的・量的調査で収集したデータ分析から東アジア地域のソーシャルワーク理論と実践モデルを構築していく目的もある。さらに多文化共生に関するカリキュラム内容、実習をいかにすべきかも研究してきた。 最終年度も、1)外国人労働者・移住女性問題グループ、2)国際結婚問題グループ、3)子育て問題グループ、の3グループ研究体制で取り組んだ。1)ではフィリピンでの訪問調査を実施した。2)ではミャンマー・ヤンゴン市でのインタビュー調査を実施した。 韓国人男性とミャンマー人女性の国際結婚の現況についての調査を実施した。同時にミャンマーでの移住女性問題についても調査を試みた。3)については、昨年度に引き続き、韓国での家庭委託支援センター、里親団体等を訪問し、里親や児童虐待サポート体制に関するインタビューを実施した。また多文化共生に関するカリキュラム内容調査に関してはハワイ・ホノルル市でハワイ大学等を訪問し、資料収集を行った。
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