研究課題/領域番号 |
23330189
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
牧里 毎治 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (40113344)
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研究分担者 |
安立 清史 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (40192968)
関川 芳孝 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (10206625)
橋本 理 関西大学, 社会学部, 准教授 (60340650)
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キーワード | 社会起業 / 地域再生 / 職域社会 / コミュニティビジネス / ソーシャルビジネス / ソーシャルファーム / 社会貢献事業 / 協同組合 |
研究概要 |
23年度は、次年度の具体的な調査に向けて、社会起業研究に関する基盤を確立するために、基礎的調査及び研究会を企画・実施してきた。 総括研究グループAでは、主に社会起業に関する理論研究を中心に研究を進め、次年度の研究に関する理論的フレームを構築してきた。具体的には、以下の3点の理論研究を重ねてきたといえる。(1)「ソーシャルファーム」に関する理論研究については、障害当事者の社会参加及び就労・雇用という形を事業化していくための方法論・考え方を整理した。(2)「ソーシャルビジネスとコミュニティビジネス」に関する理論研究については地域ニーズを社会サービスに変換し地域住民の社会参加と社会貢献を事業化して提供するものとされている「コミュニティビジネス」と、近年、社会課題をビジネスで解決する手法としての「ソーシャルビジネス」について、その考え方の相違点・共通点について整理した。(3)「協同組合」に関する理論研究については生活協同組合・労働者協同組合の代表的論者をゲストに迎え、協同組合における理論研究が、近年の社会的企業・社会起業の理論研究とどのように結びついているといえるのか、具体的な事例も踏まえて検討を行った。 研究グループB・Cでは、社会起業の実践研究を中心に研究を進めた。研究グループBでは、蓄積してきた事例研究について整理・蓄積を行ったうえで、当初の研究実施計画でも事例候補として挙げていたNPO法人(A県B町)でのフィールドワーク及びB町での公開研究会を実施し、「ニーズ・需要プロセス」「資源・資産プロセス」という2つのプロセスに着目したヒアリングを行った。また研究グループCでは、既存社会福祉法人の先駆性と事業規模、ネットワークに再注目し、社会福祉法人が実施する社会貢献事業及びそれに関わるマルチ・ステイクホルダーによるネットワーク形成プロセスの現状・課題について、NPO法人とも比較検証を実施しながら論点整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
社会起業に関する理論研究、ニーズ・資源に関する事例研究、ネットワーク形成に関する事例研究について、それぞれが従来の研究計画通り進行することが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、23年度の社会起業理論・実践研究蓄積を踏まえたうえで、総括研究グループAでは、調査フレームを設定し、特に、ソーシャルファームに関連して、労働統合型社会起業の実態(主に就労継続支援A型事業所)についてのアンケート調査を全国規模で実施する。また、社会起業実践研究では、研究グループB・Cが、それぞれの視点を軸に、前年度の調査を踏まえて継続して、インタビュー調査及びフィールドワークを実施する。また、今年度までの本研究に関する中間報告を作成する予定である。なお、研究を遂行するうえで、アンケート調査・インタビュー調査に関しては、プライバシー・情報保護に努め、調査対象(者・組織)からの同意を得たうえで実施する。
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