研究課題/領域番号 |
23330189
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
牧里 毎治 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (40113344)
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研究分担者 |
関川 芳孝 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (10206625)
安立 清史 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (40192968)
橋本 理 関西大学, 社会学部, 教授 (60340650)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 地域福祉 / コミュニティソーシャルワーク / 職域社会 / 社会起業 / ソーシャルビジネス / 労働統合型社会的企業 / コミュニティビジネス / 社会貢献 |
研究概要 |
(1)社会起業理論研究及び社会起業実態調査の実施(総括研究グループA) 24 年度に関しては、社会起業に関する理論研究(研究分担者:橋本担当)を継続しながら、前年度からの事例研究の内容を踏まえたうえで調査フレームを設定し(研究代表:牧里担当)、特に、労働統合型社会起業の実態に関するアンケート調査を全国の就労継続支援A型事業所(香川県除く)を対象として実施した。(連携研究者:川本担当)。回収率は、約4割と回答者からの関心の高さも伺えた。集計・分析は現在、鋭意作業中である。 (2)社会起業実践研究(研究グループB・グループC) 研究グループB・C が、前年度のインタビュー調査及びフィールドワークを踏まえた定点観測を実施した。さらに、分析・考察の内容を踏まえて、インタビュー調査及びフィールドワークを実施した社会起業組織に継続して調査を行った。 研究グループB では、「ニーズ・需要プロセス」研究・「資源・資産プロセス」研究の相互作用に着目し、それぞれのプロセスについて分析を深め、モデル化にむけた考察を行った。研究グループC では、前年度実施した調査研究の内容を踏まえながら、社会起業組織に関わるステークホルダー分析を通じて、「ネットワーク形成プロセス」研究について分析を深め、モデル化にむけた考察を行った。 これらの成果を踏まえ、成果の可視化と教材化はもちろんのこと、「ヒーローヒロイン像からの脱却」と、「社会起業組織(社会的企業)」へ向けられる独立採算を求める新自由主義的な見方に対するアンチテーゼとして、引き続き研究を重ね、社会起業組織(社会的企業)の分析枠組みを設定し(連携研究者:川村担当)、それをもとに事例研究を進めながら、事例をベースとした出版企画に着手しはじめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)社会起業理論研究及び社会起業実態調査の実施(総括研究グループA) 労働統合型社会起業の実態に関するアンケート調査については、実施時期が年度後半とはなってしまったが、年度内に回収を終え、次年度のインタビュー調査に向けた一定の考察を図ることができた。25年度に、詳細の分析とインタビュー調査を実施することで、25年度内に調査報告書をまとめる予定である。 (2)社会起業実践研究(研究グループB・グループC) 成果物として出版企画を進めており、すでに出版社(ミネルヴァ書房)にも内諾を得ていることから、25年度早々(4月末)に各執筆者の原稿を集め25年度内に出版予定である。 (3)最終年度実施計画 申請時に計画をしていた研究成果の学会報告、出版(上記(2)参照)、3年間の研究を総括した報告書の作成、シンポジウムの開催については、予定どおり最終年度である25年度に実施予定である。一方で、ブロック別(九州、中国、四国、関西、関東、北海道)に実施を予定していた研究評価会については、実現可能性等を踏まえ、ブロックの統合等、形式を変えて実施を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
25年度に関しては、これまでの定例研究会を軸に、総括研究グループAの「社会起業理論研究(研究分担者:橋本担当)」、「社会起業実態調査(就労継続支援事業A型事業所対象とした郵送による質問紙調査 ※24年1月実施)(連携研究者:川本担当)」、研究グループB、Cの「事例調査」並びに「フィルードワーク」の実証的研究を踏まえ、「地域社会」と「職域社会」の再生のプロセスとしての「地域福祉好循環モデル」を可視化するための各社会起業現象の類型化とモデル化を目指す。中でも、下記の事項を柱としてその具体化を図る。 (1)平成24年度に実施した「就労継続支援事業A型事業所対象とした郵送による質問紙調査」の結果を元に類型モデルを提示し、その枠組みを元にインタビュー調査を行い、実践的モデルを確立する。 (2)研究グループBで行ってきた事例調査、フィールドワークの成果の可視化と教材化を目的として、平成24年度から進めている「社会起業組織」に着目した事例をベースとした出版企画を進める。 (3)社会起業組織の資金源の造成に関する検討、同組織のNPO・NGOネットワーク分析(研究分担者:安立担当)、既存の公益法人や地域住民組織・NPOによる組織実態を捉え直し、既存福祉組織や行政との連携・協働に関しての課題提起を行う。 (4)3年間の総括として、平成26年2月頃に公開による総括シンポジウムを開催する。そのうえで、研究報告書を作成し、広くその成果を社会に対して発信する。
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