研究課題/領域番号 |
23330202
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
白井 利明 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00171033)
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研究分担者 |
遠藤 利彦 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90242106)
中村 知靖 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (30251614)
勝眞 久美子 奈良産業大学, キャリア開発センター, 講師 (80413475)
徳田 治子 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (40413596)
尾崎 仁美 京都ノートルダム女子大学, 心理学部, 准教授 (10314345)
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キーワード | アイデンティティ / 時間的展望 / 成人期 / 縦断研究 / ナラティブ / 青年期 / 生涯発達 / 質的分析 |
研究概要 |
今年度は、第1に、縦断調査の対象者320名に対して、質問調査を実施した。調査の結果はデータを入力した。第2に、データの揃っている20代の12年間におよぶ質問紙調査のデータを潜在曲線モデルで分析した。具体的には、時間的指向性を説明変数とし、現在の自己投入、危機、将来の自己投入の希求の発達的変化を従属変数として、潜在成長曲線モデルでとらえた。その結果、バランスのとれた未来指向がアイデンティティの形成を促していることが明らかとなった。バランスのとれた未来指向とは、青年期のように単純に未来指向が望ましいとせず、現在を中心としながら未来にも延びているような時間的指向性もまた望ましいとみなすものである。また、ダイナミックシステムズアプローチによる分析をオランダの研究者の指導のもとで行った。この方法では2変数の関連が個人単位で捉えられるので、さらなる分析は次年度で行う。これらの成果の一部はアイデンティティ形成学会で発表され、そしてJapanese Psychological Researchに投稿され、採択された。第3に、日本青年心理学会におけるシンポジウムで縦断研究の方法論を検討した。第4に、面接調査のための検討が行われ、課題が整理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定した定期調査は行い、分析も進み、学会誌に採択されており、順調に進んでいる。面接調査については、調査の枠組みをつくるための検討の見直しが必要なことがわかり、それが課題となっている。
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今後の研究の推進方策 |
面接調査のための枠組みを見直すため、青年期と成人期の連続と非連続についての分析が必要であり、次年度はそれを行う。
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