研究課題/領域番号 |
23330202
|
研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
白井 利明 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00171033)
|
研究分担者 |
尾崎 仁美 京都ノートルダム女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10314345)
中村 知靖 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (30251614)
徳田 治子 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (40413596)
勝眞 久美子 奈良学園大学, 情報学部, その他 (80413475)
遠藤 利彦 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90242106)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | アイデンティティ / 時間的展望 / 成人期 / 縦断研究 / ライフストーリー / キャリア発達 / 生涯発達 / 世代性 |
研究概要 |
今年度は、第1に、縦断調査の対象者320名に対して、質問調査を実施した。調査の結果はデータを入力した。第2に、データの揃っている20代の12年間におよぶ質問紙調査のデータを潜在曲線モデルで分析した。具体的には、時間的信念を説明変数とし、アイデンティティ地位を従属変数として、潜在成長曲線モデルでとらえた。時間的信念は、満足遅延、将来関心、現在重視の3つから成り立っている。分析の結果、満足遅延、将来関心という肯定的な未来への指向性がアイデンティティのコミットメントと探求を促進していることが明らかとなった。現在重視は、アイデンティティのコミットメントを減少させるが、探求を促進していることが明らかとなった。こうして、20代の時間的信念がもつ、アイデンティティの形成の前進的な側面だけでなく、退行的な側面のメカニズムを実証的に明らかにすることができた。つまり、未来指向がアイデンティティの達成を促し、現在指向は退行を引き起こすとともに、次のアイデンティティ形成への一歩となるのである。また、42歳時の面接調査を開始した。ここでは、時間的展望、アイデンティティ、世代性、キャリア発達といった面をみるのみならず、ライフストーリーという観点からもデータを集めた。アイデンティティ研究学会のシンポジウムで、その概要を発表した。さらにデータを集めて、分析していくことは次年度に行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、縦断調査の対象者320名に対して質問調査を実施した。また、面接調査を承諾の得られた6名に行った。縦断研究の成果は、来年度の第2回国際時間的展望学会のシンポジウムで発表する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、縦断調査の対象者320名に対して質問調査を実施し、その分析を行う。面接調査は、継続する。成果を第2回国際時間的展望学会のシンポジウムで発表する。
|