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2011 年度 実績報告書

児童のワーキングメモリプロフィールに応じた支援データベースと教育ネットワーク構築

研究課題

研究課題/領域番号 23330203
研究種目

基盤研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

中條 和光  広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90197632)

研究分担者 宮谷 真人  広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90200188)
湯澤 正通  広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10253238)
森田 愛子  広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (20403909)
齊藤 智  京都大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (70253242)
湯澤 美紀  ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 准教授 (80335637)
キーワードワーキングメモリ / 学習 / 教育 / 児童 / 国語 / 算数 / 理科
研究概要

本研究は「ワーキングメモリ」をキーワードに,1人ひとりの子どもの学習ニーズに合った先進的なカリキュラム開発と教育のシステム作りを目指している。本年度の目的は,小学校児童のワーキングメモリのアセスメントを行い,ワーキングメモリの相対的に小さい子どもが日本の小学校の授業場面でどのような行動を示すのかを明らかにすることであった。小学校二,三,四年児童についてワーキングメモリのアセスメントを行った。ワーキングメモリの成績をもとに,総合得点がクラスで下位3名の児童に注目し,それらの対象児童の観察を国語,算数,理科の授業で行った。その結果,以下のように,対象児童の挙手,および授業参加が全般に低く,授業態度が対象児童の学習にとってネガティブに働いていることが示唆された。1,二年生の挙手率は,教科に関わりなく,全般に低く,授業参加率は,高い児童と低い児童がいた。そして,各児童の挙手率と授業参加率の傾向は,1年前とほとんど変わっていなかった。2,三年生の挙手率と授業参加率は,平均的なワーキングメモリの児童(対照児)よりも低い傾向が見られ,また,教科によってばらつきが大きかった。3,四年生の挙手率や参加率は,対照児よりも低い傾向があるが,教科によってばらつきが見られた。特に,理科の参加率が高かった。また,国語の授業で,文章の状況モデルを構成する作業場(ワーキングメモリ)を外的に補うために,視覚的な絵やモデルを利用することの効果を検討した。その結果,教師と児童の話し合いの場面を分析することで,絵やモデルなどの視覚的な道具を用いた文章の読解や,教師が適宜,リヴォイシングなどの手法を用いて,話し合いを分かりやすくし,方向づけることが有益であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

小学校児童のワーキングメモリのアセスメントを行い,クラスでワーキングメモリの小さい子どもの授業場面での観察を行うことで,行動特徴を明うかにできた。また,そのような児童の学習支援の方略についての示唆も得られた。

今後の研究の推進方策

クラスでワーキングメモリの小さい子どもの授業場面での観察を継続的に行うことで,行動特徴が学年とともにどのように変化するのか,またはしないのかを解明するとともに,今後,個々の児童のワーキングメモリのプロフィールに応じた児童の学習支援の様々な方略を明らかにしていくことが課題である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ワーキングメモリの小さい子どもに対する学習支援-小学校3年国語科授業における教授方略の効果-2012

    • 著者名/発表者名
      立石泰之
    • 雑誌名

      広島大学学部・附属学校共同研究機構研究紀要

      巻: 40 ページ: 17-22

  • [雑誌論文] ワーキングメモリプロフィールに応じた特別支援データベースの開発(2)2012

    • 著者名/発表者名
      湯澤正通
    • 雑誌名

      広島大学大学院教育学研究科平成22年度共同研究プロジェクト報告書

      巻: 9 ページ: 129-141

  • [学会発表] Influences of the phonological short-term memory on young Japanese children's learning of English2012

    • 著者名/発表者名
      Minakuchi, K.
    • 学会等名
      10th Tsukuba International Conference on Memory
    • 発表場所
      学習院大学
    • 年月日
      2012-03-05
  • [学会発表] ワーキングメモリの相対的に小さい児童への学習支援2011

    • 著者名/発表者名
      渡辺大介
    • 学会等名
      日本ワーキングメモリ学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2011-12-17
  • [学会発表] ワーキングメモリの相対的に小さい児童への学習支援:小学校4年理科授業の事例2011

    • 著者名/発表者名
      縄中美穂
    • 学会等名
      日本ワーキングメモリ学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2011-12-17
  • [学会発表] ワーキングメモリ・トレーニングが時間の長さの評価能力に与える効果2011

    • 著者名/発表者名
      岡崎義弘
    • 学会等名
      日本ワーキングメモリ学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2011-12-17
  • [学会発表] 単語の書き学習における文字配列の分割の効果2011

    • 著者名/発表者名
      河村暁
    • 学会等名
      日本ワーキングメモリ学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2011-12-17
  • [図書] ワーキングメモリと発達障害2011

    • 著者名/発表者名
      湯澤美紀
    • 総ページ数
      129
    • 出版者
      北大路書房

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公開日: 2013-06-26  

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