研究概要 |
本年度は,4年間の取組の初年度であり,包括的アプローチの研究を進める上での基礎的知見を得るため,海外における包括的アプローチの実践状況に関する調査と,日本の教師の生徒指導・教育相談に係わる力量の実態調査を行った。 1海外調査 1)香港:2011年10月24日~29日 現地校視察,教育局視察,香港教育学院,バプテスト大学等での協議 2)オーストラリア:10月30日~11月5日 現地校視察,民間団体視察,カソリック教育省視察,メルボルン大学での協議 3)カナダ:3月10日~21日 現地校視察,民間団体視察,メルボルン大学,サイモン・フレーザー大学での協議 *以上3カ国で,日本での取組について講演を行い,評価を得た。 2日本の教師の生徒指導・教育相談に係わる力量の実態調査 2010年度に開発した生徒指導・教育相談に係わる力量調査を改訂し,広島市,新潟市,総社市で生徒指導主事,新任教員等を対象とした質問紙を作成し,この領域における日本の教師の実態調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた海外調査と基本的な実態調査を行うことができた。また,先行的にモデル校を設定し実践を行ったが,顕著な成果をあげることができ,包括的アプローチの有効性を実践的に検証することができたこと,また,当該校の教師への調査でも教師教育としての高い効果を検証できた。また,24年次のプログラムの実践都市も決定した。
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今後の研究の推進方策 |
生徒指導・教育相談研修プログラムを作成し,実施し,効果を検証する。 ・課題としては,これまでの予備的研修では,研修による効果を挙げていると思われる教師が,自己の資質・能力に関する自己評定を低くする傾向があり,一般的な自己評定では研修の効果を測定することが困難であることなどが挙げられる。対応策としては,自己洞察の深まりが自己評定への負の影響を与えている可能性があるため,いわゆるテスト形式の評価を行うこと,インタビュー調査や他者評定を組み合わせることなどを検討している。
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