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2012 年度 実績報告書

創造的学びや共感性を育む子ども主体の対話型教育の開発と支援

研究課題

研究課題/領域番号 23330205
研究機関九州大学

研究代表者

丸野 俊一  九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 特任教授 (30101009)

研究期間 (年度) 2011-11-18 – 2014-03-31
キーワード対話型授業 / 教師の熟達化 / 共感性
研究概要

本年度は次の4つの主テーマについて検討した。
第一には、子ども主体の対話型授業実践過程や教師の熟達化水準を可視化し、問題点を客観的に評価する分析手法の開発を試み、子どもー教師ー子どもの三項関係の発話連鎖が重要な指標となることを明らかにした。
第二には、教師の熟達化水準の変化過程を縦断的に分析し、自己の従来の実践枠組みにたいする思い込み(「有能性の罠」)からの脱却のためには、他者の目を通した批判的吟味による研修の場にさらけ出す勇気と前向きな学びの姿勢が重要であることを明らかにした。
第三には、子ども主体の対話型授業の中では、子どもの批判的思考や問題点を明らかにする認知的側面のみでなく、他者が発言できなかったり説明に困難を抱えているときに、その心の葛藤を自分のこととして感じ取り、発言が生まれるまでしっかりと待つ姿勢や、何らかの手助けを差し伸べるという、共感性や思いやりの心が育まれることを縦断的研究の中で明らかにした。
第四には、子ども主体の学びあう授業実践の中での、子ども達の認知的側面や情動的側面の変化過程と、教師の諸観(子ども観、授業観、知識観など)との間には密接な関係があることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は3年計画の2年目であり、当初予定していた計画を順調に遂行した。

今後の研究の推進方策

来年度は3年計画の最後の年である。これまで2ケ年に渡って遂行してきた研究内容や成果を十分に省察し、問題点の見直しや修正を必要とするところがあれば、修正すると同時に、データ収集をさらに充実させ、子ども主体の対話型授業の教育現場への定着化を促進させていく

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] 個人の認識論から批判的思考を問い直す2012

    • 著者名/発表者名
      野村亮太・丸野俊一
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 19巻 ページ: 9-21

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学びあう授業の中で育まれる認知的・情動的共感性2012

    • 著者名/発表者名
      尾之上高哉・丸野俊一
    • 雑誌名

      教授学習心理学

      巻: 8巻 ページ: 12-25

    • 査読あり
  • [雑誌論文] いかにしたら児童たちは、学びあう授業の中で「自分の考え」を積極的に発言できるようになるのか2012

    • 著者名/発表者名
      尾之上高哉・丸野俊一
    • 雑誌名

      教授学習心理学

      巻: 8巻 ページ: 26-41

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 他者とのコラボレーションによる課題活動に対するポジティブ感情が知の共同構成過程に与える影響2012

    • 著者名/発表者名
      奈田哲也・堀憲一郎・丸野俊一
    • 雑誌名

      教育心理学研究

      巻: 60巻 ページ: 324-334

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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