研究課題
調査Iのデータを使用し、以下の分析を行った。幼稚園児を対象とし、20年間の幼児期気質についての変化を検討したところ、効果量は小さいが(偏η2 = .01)、2002年の幼児期気質は10年前(1992年)及び10年後(2012年)と比べて、エフォーロフル・コントロール(EC)が高く、高潮性が低いという年代効果が見られた。否定的情動性(NA)についての年代効果は有意ではなかった。次に、気質発達への影響要因を探るため、性別、月齢、出生順位、通園施設(幼稚園・保育所)、出生時身長・体重、授乳状況・期間、父母の年齢・就学年数、母親喫煙歴、妊娠中母親の食品摂取、子どもの現在の食品摂取を独立変数とした階層的回帰分析を行った。結果、子どもの気質発達は、母親の妊娠中食品摂取及び乳児期栄養、幼児期の食品摂取と関連することが明らかとなった。特に、簡便調理食品(レトルト食品、缶詰、コンビニ弁当等)の摂取頻度が高いと子どものNAは高く、ECは低い傾向があった。また、妊娠中に母親が野菜をより頻繁に摂取すると、子どものECが高かった。さらに、ECは、後に生まれた子の方が、また、人工乳栄養よりも母乳栄養で育った子どもの方が高い傾向が見られた。調査IIでは、協力者から採取した毛髪の金属含有量を測定した。主な重金属の濃度中央値はクロム0.10、水銀0.88、鉛0.96、カドミウム0.002マイクロg/gであり、水銀濃度と食事調査による水銀摂取推定値との相関値は有意(r = .30)となり、食事調査の妥当性が得られた。厚生労働省の食品からのダイオキシン類一日摂取量調査等の報告に基づいて食事調査からダイオキシン類摂取量を推定したところ、中央値は12.13pgTEQ/kg体重/週となった。また、子どもの気質と遊びとの関連を検討したところ、特に音楽遊びが子どものEC発達と関連していることが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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國學院大學北海道短期大学部紀要
巻: 31 ページ: 11-27
The Proceedings of the 16th Eurorean Conference on Developmental Psychology
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