| 研究課題/領域番号 |
23330209
|
|---|
| 研究機関 | お茶の水女子大学 |
|---|
研究代表者 |
青木 紀久代 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (10254129)
|
|---|
| 研究分担者 |
野村 俊明 日本医科大学, 医学部, 教授 (30339759)
小林 稔 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70336353)
平野 直己 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80281864)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2016-03-31
|
| キーワード | 学校メンタルヘルス / コミュニティ援助 / ニーズアセスメント / 地域差 / 遠隔地会議 |
|---|
| 研究概要 |
本年度の主な活動は次の二つである。調査部門では、学校内外の援助資源を有効活用するためのアセスメント方略として開発した、包括的学校メンタルヘルス質問調査票(以下、くらしと学校生活の健康質問票)を複数地域で実施し、地域差や文化差の分析を進めた。実践部門では、地域参加型支援システムモデルの構築に向けた実践として、質問紙調査をもとにしたカンファレンスや、遠隔地会議による心理教育的支援を試行的に実施した。さらに、これらの活動を遂行するため、月1回程度のペースで研究会を実施し、文献収集や、調査内容およびフィードバック内容、分析方法の検討、さらに、カンファレンス資料の検討や海外ジャーナルのリサーチ等を行った。以下に、各活動の詳細をまとめる。
1.調査部門：くらしと学校生活の健康質問票の文化差・地域差比較調査
今年度は、くらしと学校生活の健康質問票を、日本国内の都心と離島、さらに海外日本人学校にて実施した。結果は、心の健康としてメンタルヘルスやウェルビーイング、自尊感情、個人の資質であるレジリエンスや、援助資源としての家族・友人との関係や学校との結びつきをとりあげ、地域別・学校別に比較検討した。
2.実践部門：調査に基づくフィードバックならびにカンファレンス等心理教育的支援
くらしと学校生活の健康質問票を実施したのち、結果をまとめた小冊子を学校ごとに作成し、フィードバックを行った。フィードバックは、児童生徒の実態について教員らと理解を深め、学校メンタルへルス支援を検討するツールとなることを目指した。これに基づき、希望のあった学校では、学校関係者が参加するカンファレンスや、教員への啓発を行った。その際、訪問による対面の会議のみならず、インターネットを通じた遠隔地会議も試行的に実践した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、複数地域の学校で協力が得られ、調査を実施することができた。それに基づき、地域差の分析や、フィードバックやカンファレンス等を実施した。その中で、フィードバックのフォーマットも作成でき、同じツールを用いて、すべての小中学校にアセスメントからフィードバックまで行うことができた。したがって、研究の進捗状況はおおむね順調といえる。
|
| 今後の研究の推進方策 |
今後は、試行的に実施してきた学校メンタルヘルスサポートプログラムの継続実施による精緻化と評価が主な課題となる。引き続き、研究協力の契約を結ぶことができた学校をモデル校とし、地域の実状や児童・生徒が挙げた地域資源・学校資源を加味した上での調査フィードバックやカンファレンスを実施し、実践の評価を行う。同時に、学校メンタルヘルスの状況把握と子ども理解、個別対応の検討を教員らと行うことで学校全体のメンタルヘルスサポートに関する啓発も図ることも予定している。また、海外日本人学校という場のニーズをおさえ、遠隔地会議の利点を活かしたメンタルヘルスサポートのあり方について、現場の教員らと検討を行いたい。
|
