研究課題/領域番号 |
23330212
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
冨永 良喜 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (50164033)
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研究分担者 |
小澤 康司 立正大学, 心理学部, 教授 (00305939)
瀧野 揚三 大阪教育大学, 学校危機メンタルサポートセンター, 教授 (60206919)
藤原 忠雄 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (30467683)
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キーワード | ストレスマネジメント / 心の健康教育 / 災害 / 心のケア / ストレス対処 |
研究概要 |
生徒の殺害事件があった中学校1校・第3学年6クラスにて、担任教師と大学スタッフがペアを組み、6つのストレスマネジメント授業案(考え方で気もちが変わる・イメージトレーニング・災害と心のケア・アサーション訓練・傾聴訓練・親子ストレスを考える)を週に1コマの授業を実施した。前半3クラスは大学スタッフが授業をリードし、後半3クラスは担任教師が授業を行った。心の健康授業介入前に、ストレス反応30、ストレス対処25、トラウマストレス尺度を実施した。比較群は、同程度の地域の中学校を選定したが、事前時点で、プログラム実施校の方が、ストレス反応が有意に高かった。これは事件後の周囲の生徒のショックを反映しているものと推測された。プログラムが終了して2週間後に、同じ尺度を実施した。その結果、トラウマストレス尺度得点が有意に減少していた。 小学校2校・中学校1校の学区で、心の健康教育プログラムの予備的な授業を実施した。3学校で教職員研修を実施するとともに、モデル授業を代表者が各学校で行った。授業は、傾聴訓練、アサーション訓練、ストレスマネジメント基本授業とした。この学区では、心の健康教育を年間プログラムにいれて実施するまでに至らなかった。次年度、心の健康教育プログラムを年間計画に位置づけ、その効果を検討することになった。 小中学校のストレスマネジメント教育は、2011年3月11日に発生した東日本大震災のため、その2-3か月後のスクールカウンセラー派遣事業に合わせて、健康アンケート5項目を活用したストレスマネジメント授業実践をA被災県で提案し、その結果、沿岸部の学校での実施率は70%を超えた。大災害という事態での活用であったため、個々の学校のデータを収集することは倫理的に問題であるため、1年後に教員・スクールカウンセラーからの聞き取り調査により、効果と課題を検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年3月11日に発生した東日本大震災のため、A被災県においてストレスマネジメント授業の提案と実施に至ったが、その授業効果については、教師・スクールカウンセラーによる聞き取り調査による方法をとる。そのため、非被災県で予定していたプログラム実施の学校数が当初の計画より少なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
非被災県では、小学校2校・中学校2校で、ストレスマネジメント教育に基づいた心の健康プログラムを実施し、その効果を検討する。 被災県においては、スクールカウンセラー・教員からの聞き取り調査により、その効果を検討する。
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