研究課題/領域番号 |
23330219
|
研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
八田 武志 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (80030469)
|
研究分担者 |
伊藤 恵美 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00314021)
松山 幸弘 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20312316)
浜島 信之 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30172969)
岩原 昭彦 和歌山県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30353014)
長谷川 幸治 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50208500)
唐沢 かおり 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50249348)
野村 理朗 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60399011)
吉崎 一人 愛知淑徳大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80220614)
八田 武俊 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 講師 (80440585)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 中高年者 / 高次脳機能 / コホート研究 / 注意 / 記憶 / 言語流暢性 / 認知機能維持 / 生活習慣 |
研究実績の概要 |
本研究は、30年以上継続されている名古屋大学八雲町コホート研究の一端を心理学班として担うものである。心理班が参加してから14年を経過したことになる。心理班では、中高齢者の高次脳機能について、その評価法の開発と、発達特性の検討、骨・筋運動系機能との関連を検討し、最終的には加齢に伴う高次脳機能低下を鈍化させる処方箋の構築が目的である。26年度に実施した具体的取組の一部は次の通りである。 ①名古屋大学認知機能検査バッテリ(NU-CAB)を住民検診で実施し、過年度のデータに加える作業を行った。住民検診での資料収集は26年8月29日~31日の期間に実施し、約460名の受診があった。この認知機能検査に加え、日常生活習慣についての情報を得るために事前にアンケートを実施し、約650名の資料を得た。 ②過年度に収集した血液サンプルに基づく遺伝子多型と認知機能に関する検討を遺伝子班が検討し、その結果を国際誌に投稿した。また、整形外科班の重心動揺計での7指標についての認知機能検査との照合を行い、筋運動系機能と認知機能の発達特性の検討を行った。その結果は複数の国際誌に掲載された。 ③日常生活習慣と認知機能に関する関連の検討は、高齢者の心理特性に焦点を当てて分析した。その結果、いくつかの行動様式と高次脳機能との関係が明らかとなり、その結果を国内外の学会および学術誌において公表した。 ④八雲町コホート研究のこれまでのデータに基づいて、認知機能と筋運動系機能に関する検討を行い、その結果の分析から、個人差の発達心理学的視点からの特性の検討とその機序の検討、注意機能や言語機能と視空間機能との関連を確認し、国内外の学会および学術誌において公表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
住民検診でのデータ収集は順調に進行している。過去13年間の電子データの心理班データベースが構築でき、他の検診班との相互関連の検討が開始できる段階に入ったため。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで通りに住民検診を利用した資料の蓄積を勧める予定である。最終年度には15年間の縦断的資料の蓄積が可能となる。延べの対象者数は6000人を超える予定であり、データの処理を専門的に担当する人員の活用や電子化した他の八雲研究班データとの連結を志向している。このことにより、心理班が参加した以前の約40年前の住民の医学検診資料が活用でき、加齢現象の顕著な住民とそうでない高次脳機能が低下しにくい住民の30-40年前の生活習慣や医学データとの比較検討が可能となり、国際的にも例を見ない研究テーマが幾つも展開できると考えている。
|