研究課題/領域番号 |
23330223
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
天笠 茂 千葉大学, 教育学部, 教授 (80151116)
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研究分担者 |
貞廣 斎子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (80361400)
加藤 崇英 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30344782)
北神 正行 国士舘大学, 体育学部, 教授 (80195247)
平井 貴美代 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50325396)
水本 徳明 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (90239260)
元兼 正浩 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (10263998)
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キーワード | 学校適正規模 / 学校適正配置 / 学校経営 / アイディアの政治 |
研究概要 |
小中一貫、ネットワーク化、拠点校システム、特認校、コミュニティスクールなど、学校再配置に関わる複数事例の自治体・学校調査を実施した。調査にあたっては、複数人での調査、及び情報共有・検討を繰り返しを行うことをによって、情報の客観性を担保することに努めた。 更にその結果を,特に「アイディアの政治」の分析枠組みに則って整理し,現代における学校適正規模・適正配置政策過程の特質を以下の様に仮説的に確認するに至った。 第一に、各自治体は,何らかの「適正規模・配置」の基準や許容できる学校規模等の定義づけを行っているが,それらの基準については,教育の視点からみた正当性が必ずしも強固に存在するとはいえなかった。むしろ,各自治体における適正規模・配置の基準づくりは,あくまでも再配置の政策立案・実施を行うためのきっかけ,大義名分に過ぎず,いうなれば学校再配置の通過儀礼的特性を持っているといえる。 第二に,各自治体が各地域の現状分析・教育的意義などを分析した後に自己調達(定義)した適正規模・配置の基準も,極小規模自治体を例外として,12-18 学級という全国の基準から大きく逸脱することはなかった。換言すれば、学校再配置のプロセスとダイナミクスにバリエーションはあるものの,再配置の結果については,多様というよりも「アイディア」の不足・貧困,ワンパタ-ン化している状況が観察されることが実証された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年7月、フィールド調査の客観性の精度を一段と高め得る可能性が判明し、新たな研究方法を検討の上、特に自治体横断的知見を得るために、複数のメンバーで協働して個々の自治体の調査を行うユニーク且つ新しい研究方法を採用した。そのため、調査日程の調整が困難となり、調査期間を延長せざるをえなくなった。そのため、23年度は予算上の繰越を行い、研究が遅れ気味であったが、当初計画した調査研究をほぼ終え、理論枠組みの検討も仮説的に行い、次年度の研究につなぐことが出来た。 比較教育の観点から、海外調査を実施することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、各事例の追加調査および理論枠組みの精緻化を行う。 更に、将来の政策オプションの提示に向けた、新たな研究展開として、人口動態と関連させた各対象自治体のシミュレーション分析も視野に入れたい。
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