研究課題/領域番号 |
23330227
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
坪井 由実 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (50115664)
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研究分担者 |
加藤 義信 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (00036675)
橋本 明 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (40208442)
望月 彰 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (40190954)
山本 理絵 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (60249282)
松宮 朝 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (10322778)
吉川 雅博 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (20315865)
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キーワード | 人間発達 / 教育福祉ガバナンス / 教育委員会 / 教育と福祉の連携 / 障害児者教 / 平等 / ソーシャルワーカー |
研究概要 |
(1)人間発達と現代教育福祉ガバナンスの理論について、木下孝司(神戸大学)、竹内章郎(岐阜大学)、L.グレッフェ(ヘルシンキ大学)などを迎えた研究交流により深めることができた。「発達」は価値概念であり、乳幼児期から老年期まで、人が生涯を通して尊厳をもって生きる(福祉)際の中心的概念として捉えかえしたい。失業した若者も、障害を負った住民も、終末医療のもとにある高齢者も、それぞれが人生の難問に向き合い、行政の支援をうけながら笑顔を取り戻し、前向きに生きようとする姿のなかにも、人間の発達と尊厳はある。そのような支援をする教職員、保育士、(医療・学校)ソーシャルワーカー、保健師、看護師などの間で、共通の言葉として「発達」が語られるなかで、支援のネットワークが新しい地域を創造し、教育福祉ガバナンスのシステムとして機能していく可能性を探究しているところである。 (2)名古屋市南部地域療育センター及び障害児・者地域生活支援センターの職員の実践報告、さらには教育と福祉の連携が進んでいる高浜市の実践報告から、住民の支援ニーズや支援専門職の横断的連携の課題が明らかになり、次年度以降における本格的面接調査等の計画を立てることができた。自治体において教育と福祉をつなぐ職員、コーディネーターの存在は大きく、様々な支援専門職を繋げていくための研修の重要性が確認できた。また、先行した取組みとして「愛知県発達障害支援指導者養成研修プログラム」が支援コーディネーターの研修の場として高い評価を受けており今後この取組みにも学んでいきたい。 (3)発達支援専門職研修プログラムの開発実践に取組みとしては、「精神障がい者の就労支援における医療・福祉・労働の連携のあり方に関する研修」「高次脳機能障害者のコミュニケーション支援・自立支援ヘルパー講習会」の2つを開催し、参加者から高い評価を受けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教育福祉行政の質的向上をはかるシステムを開発するため、理論的諸問題の整理と予備調査を終えたところであり、本格的調査研究の基礎作業をおおむね順調にすすめることができたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
近隣市(長久手市、尾張旭市、瀬戸市、日進市など)教育委員会教育長に対する面接調査と実践交流会を開催したり、先行した愛知県の「発達障害支援指導者養成研修プログラム」の企画に学びながら、あらゆる年齢層の住民に対して的確な支援ができる地域づくりと支援専門職への研修制度の開発、さらには地域の様々な住民支援専門職が連携しやすい教育福祉行政システムを開発していきたい。また、特に(医療・学校)ソーシャルワーカーの果たしている役割と今後の可能性についても重点的に検討していきたい。
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