研究課題/領域番号 |
23330241
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
紅林 伸幸 滋賀大学, 教育学部, 教授 (40262068)
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研究分担者 |
越智 康詞 信州大学, 教育学部, 教授 (80242105)
川村 光 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (50452230)
油布 佐和子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80183987)
加藤 隆雄 南山大学, 人文学部, 教授 (20247133)
藤田 武志 日本女子大学, 人間科学学部, 准教授 (70324019)
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キーワード | 市民社会の教師 / 教職の専門職性 / 教職の政治性 / 教員養成 / 教職課程 / 教育の政治性 |
研究概要 |
本年度は、1.先行研究調査データの再分析、2.教職志望学生の政治性に関する調査票の作成と第1回調査の実施、3.教員の政治性に関する調査票の作成、4.教育の政治性と教職の政治性に関する文献研究、5.市民社会先進国の教育の視察調査、の5つの研究作業を行い、以下のような成果を得た。 1では、先に実施した総合的な学習の時間の質問紙調査のデータの時系列的比較分析を行い、技術主義の進む学校現場の実態を確認した。2では、調査票を作成し、2つの大学の1回生を対象として調査を実施した。データ分析は平成24年度に行う予定である。3では、質問詞調査票の作成作業を行った。実施は、平成24年度の夏の予定である。4では、市民性概念の再検討と、ハーバーマス、ルーマン、ギデンズらの分析視角からの教育および教師の読み取りを試みた。5では、(1)イングランド~スコットランドと(2)イタリアの学校現場および大学の視察調査を実施した。(1)ではパブリックスクールと公立学校の視察により、市民の分化という実態を確認した。(2)では、欧州の経済的・文化的統合という課題の中で、学校教育の充実が最大の社会的課題になっていること、社会のグローバル化に対応した教員養成のシステムを構築していることを実態として確認した。また、OECDの調査アナリストとミーティングを行い、PISAをはじめとするOECDの調査研究の結論が、教師の質の向上と教師の待遇の改善にあることを確認した。 以上5つの研究はいずれも現在も継続中であり、成果の公表は平成24年度以降に順次行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画にあった3つの研究活動はおおむね達成できた。特に海外視察調査では、視察地のスタッフの全面的な協力により、世界市民の育成という欧州の国際的な課題と動向の中で、学校教育のあり方と教師の役割に関わる貴重な情報を得ることができた。一部、共同研究者の勤務校の異動などの事情により、調査の実施方法の再検討が必要になったが、適切に対応できたことで、平成24年度の研究計画の実施についても、十分な準備ができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度予定していた研究を順当に進めることができたことで、間接目経費による減額を計画に入れていなかったことにより研究規模を全体的に縮小せざるを得なくなったこと以外に、今後の計画に特に変更の予定はない。 平成24年度は、(1)本年度作成し、パイロット調査を実施した質問紙を修正し、学生への本調査を実施する、(2)教員への質問紙調査を実施する、(3)教育と教職の政治性に関する勉強会を継続して実施し、海外の動向を視察する。
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