研究課題/領域番号 |
23330243
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
藤墳 智一 宮崎大学, 教育・学生支援センター, 准教授 (30248637)
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研究分担者 |
阿曽沼 明裕 名古屋大学, 教育学研究科, 准教授 (80261759)
小方 直幸 東京大学, 教育学研究科, 准教授 (20314776)
西本 裕輝 琉球大学, 大学教育センター, 准教授 (20301393)
村澤 昌崇 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (00284224)
米澤 彰純 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (70251428)
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キーワード | 高等教育 |
研究概要 |
本研究の目的は、学士課程教育における機関レベルの戦略的行動とシステムレベルの機能別分化とをつなぐメカニズムの解明にある。まず、我が国の大学の間で潜在的に進行している機能別分化の実態を把握し、分化したサブグループの規模について妥当性を評価する。それに向けて、本研究の領域は、(1)仮説のための理論研究[基礎]、(2)機能別分化に関する実証研究[応用]、(3)エリート校の教育開発と組織戦略に関するケーススタディ[発展]、の3つを含む。 理論研究では、文献調査に基づいて政府と大学との関係の日米比較を行い、日本政府がアメリカの州政府と州立大学との関係を改革のモデルとして重視している点とその功罪について考察した。 実証研究では、日本の大学の工学分野と経営学分野を事例に、在学生の学習関心によるマーケットセグメントを明らかにした。特に、工学分野では、学習関心は設置者、入試難易度、立地によって十分説明されず、機関特性がそれに影響していると考えられる。 エリート校の戦略では、文献調査とすぐれた事例の探索を開始した。アメリカの私立研究大学、州立研究大学、私立リベラルアーツカレッジの間の異なる戦略について仮説を立て、データの解釈に適応することが今後の課題である。次年度は、少人数制と思考力育成をキーワードに、リベラルアーツカレッジの分析に取りかかる。つまり、パイロット調査と研究会によって、リベラルアーツカレッジが未発達である我が国の教育システムの診断には、こうした視点が不可欠であることがわかってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)理論研究、(2)機能別分化に関する実証研究、(3)エリート校の教育開発と組織戦略に関するケーススタディ、の3つの領域において、それぞれ調査が進み、一定の成果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度の調査研究を発展させるために日米比較を中心とする理論研究と実証研究を推進する。マクロレベルでは、州政府のガバナンスの比較、ミクロレベルではケーススタディの開始が課題である。
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