研究課題/領域番号 |
23330245
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山西 優二 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50210498)
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研究分担者 |
吉村 雅仁 奈良教育大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20201064)
服部 圭子 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (30446009)
岡本 能里子 東京国際大学, 国際関係学部, 教授 (20275811)
藤原 孝章 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (70313583)
丸山 英樹 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 主任研究官 (10353377)
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キーワード | 多言語・多文化 / 教材開発 / 多文化共生 |
研究概要 |
研究目的は、国際理解教育の基軸概念の一つである「多言語・多文化主義」の立場から地域社会・学校の状況を分析し、言語・文化的少数派児童と彼らをとりまく多数派児童、さらには在住外国人と日本人とを結ぶ、多言語・多文化に関する活動を提案することである。 具体的には、言語や文化の多様性に対する多数派児童の肯定的態度育成、及び少数派児童の自己肯定感の向上に資する教材の開発及び在住外国人の母語・母文化を活かす地域日本語教育教材の開発、並びに地域活動と学校活動との連携の検討を行う。この目的を達成するために、本年度は、国内外における多文化・多言語状況の実態調査、多文化・多言語に関する教育実践、教材開発の実体を調査した。国内では、北海道におけるアイヌ語教材や、峻阜県における多言語劇の取り組み、神奈川県における外国につながる子どもたちに対する大学と地域の連携などを調査した。また海外における調査としては、複言語主義を反映した教育実践であるフランスのヨーロピアン・スクールにおけるヨーロピアン・アワーズ、ドイツにおけるトルコ移民に対する活動、マレーシアにおける多言語・多文化に関するアートフェスティバル、中国やフィリピンの日本語教育、イギリスの多言語に関する開発教育の教材開発の実態調査などを行った。これらの調査により、国内外の多言語・多文化に関する教育実践や教材開発に関する情報を収集した。さらに、多言語教育が発展している多元的アプローチのための言語,文化参照枠の開発者を招き、その理念と方法についての議論を行った。欧州におけるその情報をもとに、その目的や方法、課題などについて議論を重ねた。結果として、ことばとは何かを問う教材、日本語、英語、多言語を扱う教材開発、また認知的なアプローチに加えて、感性的なアプローチの必要性や、新しい言語能力、評価のあり様の提示、が求められるのではないかと言うことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
言語や文化の多様性に対する多数派児童の肯定的態度育成、及び少数派児童の自己肯定感の向上に資する教材の開発及び在住外国人の母語・母文化を活かす地域日本語教育教材の開発、並びに地域活動と学校活動との連携の検討を行うという目的を達成するために、それぞれの分担者、連携者が、役割を理解し、実行しているため、基礎調査やそれをふまえての課題設定など順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
教材開発に関して言語意識教材、日本語に関する教材、英語に関する教材を開発する予定である。教材開発のために、大きく4つのタスクチームを立ち上げる。「多言語・複言語チーム」「言語意識チーム」「ことだまチーム」「言語能力評価研究チーム」の4つである。それぞれのチームで、教材開発における理念的な枠組みを構築しながら、教材開発に活用してきく。
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