研究課題/領域番号 |
23330268
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研究機関 | 環太平洋大学 |
研究代表者 |
中原 忠男 環太平洋大学, 次世代教育学部, 学長・教授 (90034818)
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研究分担者 |
小山 正孝 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30186837)
山口 武志 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (60239895)
岡崎 正和 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (40303193)
吉村 直道 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (90452698)
加藤 久恵 兵庫教育大学, 学校教育学研究科, 准教授 (00314518)
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キーワード | 算数教育 / 社会的相互作用 / 規範的モデル / 構成主義 / 社会文化主義 |
研究概要 |
23年度は研究初年度であり、次の2つのことを目的として研究を進めた。 (1)算数の授業における社会的相互作用の理論的研究 (2)算数の授業における社会的相互作用の実践的研究 (1)については多世界パラダイムの基盤をなす、急進的構成主義、相互作用主義、社会文化主義におけ社会的相互作用について分担者を定めて、それぞれ先行研究をもとに研究を進めた.その結果3つの主義ともに知識の構成や獲得において社会的相互作用を非常に重視しているという共通点と、急進的構成主義は個人における構成が社会的相互作用に先立つこと、社会文化主義は相互作用が構成に先立つこと、相互作用主義は両方を認めること、急進的構成主義は知識の本質は個々人が定めること、相互作用主義は知識の本質が相互作用によって定まること、社会文化主義は社会が定めることなどの相違点があることを明らかにした。 (2)については、これまでの授業記録や設定した実験授業などの分析を通して、実際の授業における社会的相互作用の役割やそれを促進する要因の抽出等に取り組んだ。その結果、教師と子ども、子ども同士の社会的相互作用によって、問題解決がなされたり、知識の構成がなされる様相が確認された。また、それを促進する要因として、操作・図・式など様々は表現の活用、教師による論点整理、他方で子どもたちは自由で柔軟であり、論点がいろいろと移り変わるという様相も明らかとなった.これらを基に次年度は授業における社会的相互作用の規範的モデルを構築していくこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要欄にも記したように、今年度は知識の構成における社会的相互作用の役割・機能の理論的研究と算数の授業における社会的相互作用の実践的研究を目的としており、研究者全体による。研究会等により、そのいずれも研究も一定の成果を上げた。
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今後の研究の推進方策 |
3年間にわたる研究計画について、今年度は1年次であり、ほぼ予定通りの研究が進められた.2年次はその成果等に基づいて研究の重要な目的である、算数の授業における社会的相互作用の規範的モデルの構築に取り組む。現時点における大きな問題点は見られない。
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