研究課題/領域番号 |
23330270
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 真理 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (70274412)
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研究分担者 |
渡邉 徹 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (80113885)
片岡 美華 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (60452926)
滝吉 美知香 東北大学, 大学院・教育学研究科, 博士研究員 (00581357)
高原 朗子 熊本大学, 教育学部, 教授 (20264989)
井上 雅彦 鳥取大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20252819)
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キーワード | 発達障害 / 自己理解 / 他者理解 / 心理教育的支援 / 生涯発達 |
研究概要 |
●学校教育における支援:小学校の特別支援教育コーディネーター1事例を対象に、コーディネーターの「内的調整」」機能に関して、1年間にわたるプロセスの検討を行った。また共生社会を生きる人材の育成という観点から、周囲の児童生徒の認識・理解の変化について検討を行った。 ●集団心理療法における支援:発達障害児者を対象とした集団心理療法について、自己理解という観点を中心にその変容過程の検討を行った。また、心理劇的ロールプレイングにおいては、監督・補助自我・観客の反応様式との関連についても合わせて検討した。 ●発達障害児の他者理解:ASD者におけるナラティブの発達的変容について、フィクショナル・ナラティブおよびパーソナル・ナラティブの特性を、定型発達児と比較検討した。また、ナラティブを共同構成することによってどのような変容がみられるのかそのプロセスを分析した。 ASD者はいかに場をよむ能力を発達させるのかを検討するために、この基礎資料として定型発達の小学生から成人までを対象に「気まずさ」理解の特性を分析した。 ●発達障害児の自己理解:注意欠陥/多動性障害児・者(以下、AD/HD児者)の自己認識に関する先行研究の研究動向について、原因帰属を中心に検討した。またADHD児の自己理解の発達について、原因主体感覚を伴った役割遂行との関連からその変容過程を分析した。ASD者の自己理解については、1事例を対象に障害告知との関連から10年にわたる心理教育面接過程を検討した。また、自己理解に関する研究動向の課題を明確にし、ASD者の自己理解の特性について面接調査をした結果を分析した。 ●災害時支援:大震災めぐって、自己のありようがどのように揺らぎ変化したのか、約100名の障害児者およびその家族を対象に面接調査を行い、震災時に発揮された強さ、震災後のストレスマネジメントのありかた等について分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年3月の大震災発災により、調査対象者などの協力も得にくいなどの状況があったため。
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今後の研究の推進方策 |
23年度に検討した発達障害児者の自己理解・他者理解について、今後は縦断的調査にも重きをおいたデータの収集を行っていく。 その際、発達障害児者からの研究協力などを得やすくするため、日常的な支援活動も一層実施していく必要がある。
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