研究課題/領域番号 |
23330270
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 真理 東北大学, 教育学研究科, 教授 (70274412)
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研究分担者 |
滝吉 美知香 岩手大学, 教育学部, 准教授 (00581357)
井上 雅彦 鳥取大学, 医学研究科, 教授 (20252819)
高原 朗子 熊本大学, 教育学部, 教授 (20264989)
片岡 美華 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (60452926)
渡邉 徹 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (80113885)
川住 隆一 東北大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20124208)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 発達障害 / 自己理解 / 他者理解 / 心理教育的支援 / 生涯発達 |
研究概要 |
●学校教育における支援:中学校自閉症・情緒障害特別支援学級と校外機関との連携において,NPO関係者がCoとしての中心的役割を担った事例を取り上げ,校外機関がCo役割を担う場合の有効性と限界点について検討した。 ●集団心理療法における支援:心理劇的ロールプレイを通して,ある ASD 者の自 己理解の変容が共感性にどのように影響したかを検討する。自己理解の多様化,自他 の経験の個別性の理解,さらに自己注視的役割取得の内容 との関係を検討する必要があるという課題が明確となった。 ●発達障害児の他者理解:ASD者におけるフィクショナル・ナラティブについて、刺激への注視に関して検討を行った。その結果、登場人物の顔、体、物体、背景における視線停留時間、視線停留時間、視線停留回数において、定型発達児との間には有意な差は示されなkった。また注視傾向を示したヒートマップにおいてもASD児の特異性に関する仮説は支持されなかった。 ●発達障害児の自己理解:ASD者の保護者を対象とした調査を行い,ASD者が日常的にどのように体験や出来事を自己の理解に結び付けているのかについて,探索的仮説を生成する中で検討した。その結果、他者から受けた否定的な評価をそのまま自分に反映させ,障害との関連で自己を悲観的に理解するタイプと、他者からの評価や自分の障害そのものに無関心であったり,他者からの否定的評価を全く反映させない極端な自己肯定をするタイプの存在が示唆された。 ●災害時支援:大震災めぐって、自己のありようがどのように揺らぎ変化したのか、約100名の障害児者およびその家族、および特別支援学校8校を対象に面接調査を行い、障害児の物理的・心理的脆弱性、社会的脆弱性、教育的脆弱性について分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発達障害児者の自己理解・他者理解について、文献研究、横断的調査研究、縦断的臨床研究にも重点をおいたデータの収集を行った。関連専門機関や発達障害児者およびそのご家族からの研究協力も得ることができ、研究フィールドの構築や維持を果たすことがきた。
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今後の研究の推進方策 |
研究機関の3年目にあたり、縦断的臨床研究の長期にわたるデータも蓄積されてきたことから、今後はこれまでの横断的研究に合わせ縦断的研究の結果を統合させ新たな仮説生成へとつなげる。また臨床実践から得られた実践知との統合においては、社会的貢献の場に活かすことのできる研究成果の発信にも工夫が求められるだろう。
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