研究課題
本年度は、当初の研究計画の通り、各研究分担者による研究成果の公開等を研究活動の1つの柱として加える形で研究を行った。特殊教育学会(高知大会)自主シンポジューム「既存のコミュニティーの機能化・再デザイン化による支援システムの再構築:実践に学ぶその戦略と戦術」、鹿児島大学教育学部と鹿児島ライオンスクラブの共催による特別支援教育講演会およびミニ・ワークショップ「発達障害のある子どもたちの理解と支援 -支援できるコミュニティーをつくる:発達障害児のある子どもと保護者を支えるもう一つの方向性」、治療保健学研究室・公開シンポジューム「社会資源の少ない地域における特別支援教育を考える」を実施し研究成果の報告をおこなった。その中で現在の特別支援教育システムの設計の根幹にあるIBR(施設中心型のリハビリテーション)の特徴とその問題点を指摘し、今後CBR(地域に根ざしたリハビリテーション)のパラダイムを採用すべきであることや、日本全国共通したサービス展開の方法を採用するのではなく、地域独自や状況に基づいたシステムの構想に取り組む必要性などを提案した。本研究は、IBRに変わる特別支援教育体制構築パラダイムとしてのCBRの有効性および、このCBR以外の第3のパラダイムの可能性を実践的研究を通して検討することであったが、今回の研究の実践の中からCBRに変わるパラダイムを提案するまでには至らなかった。それぞれの研究の中でその有効性が示唆された理論や方法論および概念は、「活動理論」、「コミュニティービルディング」、「ソーシャルキャピタル」、「CBRの考えにもとづいて展開される行動分析」、といったものであった。共通項としては、「集団性」および「地域性」といった要素を含んでいるものであった。今後は、これらや理論や概念の統合から第3のパラダイム構築の可能性を理論研究及び実践研究を積み上げる中で検討する必要があると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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