研究課題/領域番号 |
23340001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺杣 友秀 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50192654)
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研究分担者 |
花村 正樹 東北大学, 理学研究科, 教授 (60189587)
松本 圭司 北海道大学, 理学研究科, 教諭 (30229546)
木村 健一郎 筑波大学, 数理物質研究科, 講師 (50292496)
志甫 淳 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30292204)
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キーワード | モチーフ / ホッジ理論 / 周期積分 / テータ関数 / モジュラー多様体 |
研究概要 |
(1)Pollackは楕円曲線の基本群のDerivation Lie algebraの特殊な元をGaroufalidisによる構成法を用いて定義し、さらにそれらの間の関係式を発見した。この関係式はcusp formに対して得られるものである。これらが実際に幾何学的な意味があるか、つまりモチーフ的な元の関係式からくるかという問題に関して昨年、バー複体のレベルでモチーフ的な関係式が存在することを示したが、これが実際に普遍楕円曲線から原点を除いたものの基本群と関連しているか、という問題に取り組んだ。周期を計算することにより、p-関数の微分が現れることを発見した。 (2)混合テイトモチーフに関して、Bloch-Krizの構成法でとくにpolylog motifの計算に使えるような理論に書き換えることをおこなった。これは木村氏と花村氏との共同研究である。3つ組みについて理論を構築すること、カレントの制限あるいはそれに代わる理論について研究した。主に抽象的な部分としてドラム次元とベッチ実現を解析的実現で比較する構造をもとに微分次数代数、すなわちDeligne代数と呼ばれる微分次数代数を構成して、その代数に関するバー複体が混合テイトホッジ構造を分類するホップ代数となることを用いて、サイクル微分次数代数からDeligne微分次数代数への代数準同型が存在するところから実現関手を構成した。その応用としてポリログ余加群に対するホッジ実現が実際に周期としてポリログが現れることをしめした。これはブロックとクリズの論文における不完全なてんを補ったものである。さらにsemi-algebraic cycleを用いることによりブロックの論文に仮定されていた仮定をゆるめることへの道筋がたった。 (2)Kummer曲面に対する2tau写像を書くことをした。これは種数2の曲線に関するトマエの公式に利用できるとおもわれる。ここでは$12A_1$モデルが重要であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブロックの混合テイトモチーフの論文の不完全な点が以前ははっきりした形で述べられなかったがかなりはっきりした形でその妥当性を完全にするための方策がはっきりしてきた。示すべき定理とそのための道具が整備されてきた。
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今後の研究の推進方策 |
全体の圏論的な枠組みはわかってきたので、いくつか確かめねばならないことを目標にする。具体的には周期積分に現れる対数積分の収束性の確かめ、一般化されたコーシーの公式を正当化すること、moving lemmaを局所有限サイクルに対しておこなうことなどである。 ポラック元との比較に関しては、現れる多くの積分が留数計算で求められることがわかってきているので、組合せ論的な取り扱い方を考えなくてはならない。
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