研究課題/領域番号 |
23340006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
有木 進 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (40212641)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 準遺伝被覆 / 箙ヘッケ代数 |
研究概要 |
セルラー代数のインフレーション構成に合わせた準遺伝被覆の構成はフォック空間の加群圏による圏化にとって重要な研究であり、Auslander-Solberg理論を用いた帰納的な構成を行ったが、これを満足できる形にまで一般化することはできなかった。本研究の中で得られた部分的結果については、2012年6月に中国科学院Morningside Centerで開催された研究集会で発表した。他方、研究計画の中では圏化に関連する代数の表現型も考察するとしたが、今年度はA型ヘッケ代数の一般化であるアフィンDynkin型かつ基本表現に付随する箙ヘッケ代数を考察し、その表現型を2種類のアフィンDynkin型の任意の階数に対し決定した。arXiv:1208.0889で論文公開済である。 連携研究者とともに大阪表現論セミナーを開催した。5月7日 東谷章弘 Fano polytopeと組合せ論、6月8日 Martin Herschend n-representation infinite algebras、10月25日 内藤聡 Macdonald多項式に関するRam-Yip公式の特殊化と量子Lakshmibai-Seshadriパス、11月19日 柳田伸太郎 Ding-Iohara-Miki代数とAGT予想、Macdonald対称函数、1月16日 疋田辰之 Affine Springer fibers of type A and combinatorics of diagonal coinvariants。 12月15日~16日の2日間に渡り、Shanghai Workshop on Representation Theoryを大阪大学で開催した。参加者計32名、中国側からの参加者は10名であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
準遺伝被覆の理論自体の考察という点では今年は大きな進歩はなかった。他方で、研究計画の中で低ランクでの具体例を計算する過程の中でB型ヘッケ代数の表現型に関する予想も考察するとした点では、B型ヘッケ代数の代わりに型を一般化し、2種類のアフィン型Dynkinグラフに対し、基本表現に付随する箙ヘッケ代数の表現型に関する予想を立て、一般ランクで証明することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
アフィン型Dynkinグラフに付随する箙ヘッケ代数の理論を中心に研究を進め、その中で準遺伝被覆に関する考察も行う。その他、A型ヘッケ代数と対称群のAuslander-Reiten quiverの比較について計算を行う。
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