研究課題/領域番号 |
23340008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
臼井 三平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90117002)
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研究分担者 |
中山 能力 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70272664)
今野 一宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10186869)
足利 正 東北学院大学, 工学部, 教授 (90125203)
小木曽 啓示 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40224133)
高橋 篤史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50314290)
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キーワード | ログ幾何学 / 対数的混合ホッジ理論 / モジュライ / コンパクト化 / 一般多様体 / カラビ・ヤウ多様体 / 鏡対称性 |
研究概要 |
加藤・中山・臼井による共同研究が続いており、今年度は次の成果を得た。多変数で重みとホッジ型が任意である場合のネロンモデルを弱扇作成により構成していたが、それのいくつかの切断の共通部分の閉包の解析性を混合対数的ホッジ理論により証明し論文として出版した。混合版の対数的ホッジ構造の分類空間やSL(2)軌道の空間やボレル・セール型の空間とそれらの関係を示す基本図式を構成していたが、それの鏡対称性やホッジ予想などへの応用を探り始めた。混合版対数的スムース変形の周期写像の微分についてのグリフィス型公式が得られているのを確認した。 今野は、一般型代数曲面の標準写像がその極小特異点解消を与えるような正規6次曲面の分類を試みた。まだ完全ではないが、不正則数や標準束の自己交点数の上限を得た。 足利は、一般次元ヒルツェブルフ・ユング型連分数を多重分数係数のある非可換多項式として定式化し、そこから孤立巡回商特異点のトーリック解消のアルゴリズムが誘導されることを示した。 小木曽は、川又・モリソンの動錐予想をウェーラー型の任意次元カラビ・ヤウ多様体に対して証明した。また、4次曲面の自己同型はいつもCremona変換からくるかという問題に対する反例を与えた。 高橋は、カスプ特異点と重み付き射影直線のミラー対に対して、平坦構造をそれぞれ原始形式とグロモフ・ウィッテン不変量の理論から構成し、その同型写像を構成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
講演題:Log mixed Hodge theory ; feeling relation with mirror symmetry (joint work of K.Kato, C.Nakayama, and S.Usui), Hodge theory and string duality (11w5090),2012年12月5日-9日、BIRD,カナダ。この研究集会報告の代表として私の講演ビデオとノートが次に掲載されている。http://www.birs.ca/events/2011/5-day-workshops/11w5090
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今後の研究の推進方策 |
対数的混合ホッジ理論の研究と、それの幾何や物理への応用を図る。より具体的には、鏡対称性の中で使われているホッジ理論を対数的混合ホッジ理論に置換えて極限や退化の理解を深める。特に対数的混合ホッジ理論の基本図式とグロモフ・ウィッテン不変量の関係を調べたい。また、対数的混合ホッジ理論を使ってホッジ予想に取り組みたい。
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