研究概要 |
等径超曲面の分類で残る(g,m)=(6,2)の解決論文を刊行した.等質超曲面に限る事が証明されているが,一部新しい手法とともに改善した.他方,g=4のすべての等径超曲面を表示するカルタン-ミュンツナー多項式を群作用のモーメント写像のノルムの二乗で表現する論文を刊行した.等質でないものもスピン作用のモーメント写像で表現する事に成功した.ここではユークリッド空間Rnの接束に入る自然なケーラー構造を用い,Rnの等長群の作用がTRnのハミルトン作用に自然に拡張される事を示し,作用する群ごとにそのモーメント写像を具体的に表す事により実行した.この背景にある意味を探る事が今後の課題である. 更に,等径関数より弱いトランスノーマル関数の性質を明らかにし,トランスノーマルシステムとの関係を述べた論文を刊行した.これにより,トランスノーマル関数を持つ完備リーマン多様体は,ベクトル束か,二つのベクトル束に分解される事を示し,位相的な制限がある事を明らかにした. これらの成果発表をEhwa大学,慶応大学,復旦大学,四川大学,Kyungpook大学,KIAS, 幾何学シンポジウム(九大),東京理科大研究会の招待講演で行った. その他,シンプレクティック多様体のラグランジュ部分多様体の極小性,安定性に関する問題に取り組み始めた. また,平均曲率流の研究を始め,Colding-Minicozziの論文購読に着手した.
|