研究課題/領域番号 |
23340021
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
原田 昌晃 山形大学, 理学部, 准教授 (90292408)
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研究分担者 |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 組合せ論 / 自己双対符号 / 格子 / デザイン |
研究概要 |
代数的符号理論は、代数的な立場で研究を行なう符号理論のことであり、その中でも特に代数的な研究が古くから多く行なわれている self-dual code の研究を、整数論との関係も深い対象の unimodular lattice の研究と関連付けて行なうことが本研究の中心的な柱であった。 本研究で取り組む主な課題の一つとして extremal Type II Z2k-code の構成が挙げられるが、今年度はこの課題について進展が得られた。これは unimodular lattice のフレームとよばれるある種の部分集合を構成する方法を確立することで行われた。具体的には8の倍数である長さ64以下において、全ての k に対して extremal Type II Z2k-code が存在することが示された。 符号理論において、 optimal である符号の存在、分類は基本的な問題である。今までに行って来て自己双対符号とは異なる題材ではあるが、今後、幅広く研究を進めるためにも、今回、この問題にも取り組んだ。具体的な成果としては5元体での存在の分かっていなかった optimal 符号の中で最少の長さである [21, 5, 14] code が存在しないことを確かめた(現在、論文は投稿中)。 また、本研究において計算機を用いた研究は主に代数計算ソフト Magma を用いて行っているが、Magma を用いた代数系の研究発展のために、研究集会「Magmaで開く数学の世界」を7月21日、22日に高知大学にて主催し、講演者の旅費などの援助を行った。本研究と密接な関係のある「代数的組合せ論シンポジウム」、「応用数学合同研究集会」が12月に龍谷大学で開催され、代数的符号理論の発展のためにも、連携研究者を始めとして講演者の旅費などの援助を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で取り組む主な課題の一つとして extremal Type II Z2k-code の構成が挙げられるが、今年度はこの課題について大きな進展が得られた。これは次年度以降の取り組みへの影響も大きいと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はextremal Type II Z2k-code の構成について成果が得られたが、次年度はさらに発展させることでextremal self-dual Z2k-code の構成やある種の unimodular lattice のフレームの存在に取り組みたい。また、今年度はそれほど進展のなかった、従来の代数的符号理論とは全く異なる手法での研究が行なわれている低密度パリティ検査符号や量子符号 などの新しい研究対象への応用(関連) を確立することで代数的符号理論における新たなる発展を目指す。
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