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2011 年度 実績報告書

衝突・剥離・付着現象の変分法的アプローチによる数理解析

研究課題

研究課題/領域番号 23340024
研究種目

基盤研究(B)

研究機関金沢大学

研究代表者

小俣 正朗  金沢大学, 数物科学系, 教授 (20214223)

研究分担者 長山 雅晴  金沢大学, 数物科学系, 教授 (20314289)
キーワード自由境界 / 数値解析 / 剥離 / 付着 / 変分問題
研究概要

本研究は、弾性体・粘弾性体・流体などの動力学・相互作用をエネルギー交換系として記述し、
変分法に基づいた数学的解法とシミュレーション技法(計算技術)を確立することを目標としている。対象となる物体は人体内構造物を想定しており、相互作用として付着・剥離・衝突・吸水・脱水現象を想定する。対象物が体積保存するなど大域的制約条件が付く場合が多い。そこで、エネルギー法(Lagrangian)に基づく方法論を導入した。これは偏微分方程式に比べて大域的情報を含めやすいが、弾性体の振動を記述する場合、解の存在と正則性を得るために強力な武器である最小化法が使えない。この困難を克服し、運動・時間発展を伴う諸現象で、非局所効果や不連続性のある諸問題を連成解析も視野に入れて統合的に扱う解析手法とそれに基づく数値解析アルゴリズムの開発をめざしている。この目標に対して自由境界を伴う問題で離散勾配流法を導入して近似解の構成、収束先としての解の存在、収束のスピードなどを評価する方法論を導入した。
直接的には一次元の問題で解自体の表現がよく知られているブラックショールズ方程式に適用したものが論文として成果を得た。これは、自由境界付きの問題を離散勾配流と粘性解の良いところを合わせて自由境界の収束速度まで評価したものである。また、非線形半群の理論を用いて粘性解では評価しきれない部分を突破しており、一般論として意味がある。よって、この取り扱いは本研究の重要な基礎となると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自由境界の取り扱いについて懸案の一つであった時間依存問題について精密な評価付きの結果を得たことで本研究の進展はおおむね良好であると判断した。

今後の研究の推進方策

付着・剥離・衝突現象など、従来取り扱いが困難であった問題群に対し、エネルギー法・離散勾配流法に基づく新しい解法の開発が進んできた。そのため、弾性体・粘弾性体・流体・弾性多孔体などが動力学的相互作用を起こす現象の新しい数学的解法が開発されると信ずる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Convergence of the Approximation Scheme to American Option Pricing via the Discrete Morse Semiflow2011

    • 著者名/発表者名
      Katsuyuki Ishii, Seiro Omata
    • 雑誌名

      Applied Mathematics & Optimization

      巻: 64 ページ: 364-415

    • DOI

      10.1007/s00245011-9145-x

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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