研究課題/領域番号 |
23340035
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石毛 和弘 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90272020)
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研究分担者 |
小川 卓克 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20224107)
小池 茂昭 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90205295)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 漸近解析 / 形状解析 / O.D.E.型解 / 最適減衰評価 / 動的境界条件 / 非線形楕円型方程式 |
研究実績の概要 |
放物型方程式の解の漸近解析および形状解析を行い、半線形熱方程式ににおける O.D.E.型解の高次漸近展開、放物型方程式の解に対するルベーグ空間における最適な時間大域的減衰評価、動的境界条件をもつ楕円型方程式について研究を行った。 (1) 石毛の指導学生である小林加奈子氏 (東北大) と共に,ある半線形熱方程式解の大域的漸近挙動の主要項が常微分方程式の解として与えられる場合に対して、解の高次漸近解析を行った。これにより、主要項では解明できない熱拡散の解の漸近教挙動への影響が明かになり、ある優解が精密な大域解の漸近挙動を与えていることを明らかにした。また、この解析により、解の微分係数の挙動も明かになり、解の最大点の大域的挙動についても解析を行った。 (2) 東京工業大学の柳田英二氏、愛媛大学の猪奥倫左氏とともに、ポテンシャル項付き熱方程式の解のルベーグ空間における最適減衰評価を与えた。この研究成果は、Davies-Simon の結果 (1991) を大きく改善するものであり、既存の結果では扱っていない場合を含めて最適な時間大域的減衰評価を与えている。この解析は、関数の再配置理論とローレンツ空間、ある特殊は優解の構成を用いて為された。 (3) コメニウス大(スロバキア)の Marek Fila 氏、大阪府立大の川上竜樹氏とともに、動的境界条件の下、非線形楕円型方程式に対する大域的正値解の存在・非存在について考察を行った。この研究においては、弱い意味での適切な解の定義は何か、という問いから考察しなくてならないが、ここでは、ポアソン核を用いて解をある積分方程式の解として定義し、藤田臨界指数に相当する指数を求めた。また、ある仮定の下、大域解はポアソン核のように時間無限大で振る舞うことも証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画当初に予想していなかった解の形状解析や漸近解析ができるようになり、研究成果も着実に挙ってきている。
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今後の研究の推進方策 |
それぞれの研究成果を精査した上で、今後の展開を模索しつつ研究を行う。
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