研究課題/領域番号 |
23340044
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
住 貴宏 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30432214)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 系外惑星 / 重力マイクロレンズ |
研究概要 |
本研究は、我々Microlensing Observations in Astrophysics (MOA)グループが行っている重力マイクロレンズ による系外惑星探査を3 年間継続する事によって、I.世界で初めて地球質量の系外惑星を発見する。また、全質量領域で系外惑星を約18 個発見し、スノーラインの外側での地球質量を含む系外惑星の質量関数、軌道長半径 分布を精度良く見積もる。スノーライン外側では、多くの地球質量や海王星質量の惑星が形成されると考えられ ており、本研究により惑星形成理論に強い制限を与える。また、世界で初めて銀河系内での惑星系分布も求める 。II.主星を伴わない浮遊惑星を約40 個発見し、存在量、質量分布を見積もる。これにより、従来の観測で測ら れている「現在の惑星数」ではなく、元々惑星系でどれだけの惑星が形成されたかを初めて見積もる 。昨年度の観測は順調に行われ、合計680個のマイクロレンズイベントを検出し、そのうち惑星を6個、さらに主星を伴わない、イベ ントタイムスケールが2日以下の非常に短いイベントを、7-8個発見した。この様に、本研究が目指す系外惑星、浮遊惑星を順調に検出できるている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々Microlensing Observations in Astrophysics (MOA)グループが行っている重力マイクロレンズ による系外惑星探査を3 年間継続する事によって、I.世界で初めて地球質量の系外惑星を発見する。また、全質 量領域で系外惑星を約18 個発見し、スノーラインの外側での地球質量を含む系外惑星の質量関数、軌道長半径 分布を精度良く見積もる。スノーライン外側では、多くの地球質量や海王星質量の惑星が形成されると考えられ ており、本研究により惑星形成理論に強い制限を与える。また、世界で初めて銀河系内での惑星系分布も求める 。II.主星を伴わない浮遊惑星を約40 個発見し、存在量、質量分布を見積もる。昨年度の観測は順調に行われ、合計680個のマイクロレンズイベントを検出し、そのうち惑星を6個、さらに主星を伴わない、イベ ントタイムスケールが2日以下の非常に短いイベントを、7-8個発見した。この様に、系外惑星、浮遊惑星イベントを順調に検出できている。また、平行して過去のデータ解析もすすんでおり、概ね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の計画通りに、銀河系バルジが観測可能な2月から11月に、日本のメンバー(申請者、連携研究者、大学院生8人)がニュージー ランドに行き、1.8m望遠鏡で22領域(50平方度)を毎晩観測する。7月頃は、この領域を1日10-50回も観測できる 。NZの現地観測者1人は61cm望遠鏡で追観測を行う。系外惑星を検出するには、まずマイクロレンズイベントを 検出する必要がある。取得された画像は、Difference Image Analys (DIA)で解析する。これは、あらかじめ取 得されていたseeingが良くシグナル/ノイズ比の高い画像をリファレンスとし、観測された各画像からこれを引 き算する事によって変光した天体のみが残り、これを検出し測光する。これを、これ迄同様にリアルタイムで運 用して、イベントのアラートを世界中に発信する。さらに、これらのイベントをリアルタイムでモニターする事 によって、惑星による逸脱を検出し、追観測を促す「惑星アラートシステム」を運用する。観測から5分以内にD IAと測光を終了し、光度曲線上に観測点をプロットする。もし、単純な主星のみの理論曲線からの逸脱が見られ れば、観測頻度をあげる。さらに、リアルタイムで光度曲線の惑星モデルフィットを行い、できるだけ早く惑星 か連星かの判別ができるシステムを開発する。これにより惑星イベントに追観測を集中し、検出効率を上げる。 本年度もこの観測を継続して、さらに完成したリアルタイム惑星モデルフィットシステムを利用して、リアルタ イムで惑星モデルを決定して観測の効率を上げる。11月以降、本年観測終了後は、検出された個々の惑星系イ ベントの解析を進め、惑星系のパラメーターを導き出す。
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