研究課題/領域番号 |
23340053
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
和田 武彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (50312202)
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研究分担者 |
尾中 敬 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30143358)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 赤外線天文学 / 極低温 / 集積回路 / 画像センサー / テラヘルツ |
研究概要 |
本年度はまず、前年度(2011年度)に試作した2x2素子の読みだし回路を評価した。その結果、FET、オペアンプ等の回路要素が正常に動作していることが確認され、集積回路の製造は正常に行われたことが明らかになった。しかし、同時に、読みだし回路のフィードバック部分の設計に不具合があり、電荷積分動作ではなくコンパレーターとして動作していることが明らかとなった。 このため、当初の予定を変更し、本年度(2012年度)は、予定していた25x25素子の読みだし回路ではなく、不具合を修正した2x2素子の読みだし回路をもう一度試作した。試作はKEKが主催するMPW(Multi-project wafer)にて行った。試作に関わる経費は別途支出した。素子の納品が年度末になったため、評価は来年度行う。 本年度は、液体ヘリウムの入手が非常に困難となり、極低温での実験に支障が出ている。この状況は来年度も継続する見込みである。液体ヘリウムを節約するため、新たに機械式冷凍機を用いたクライオスタットと導入することにした。そのための基本設計を本補助金から支出した。冷凍機は既存のものを用いる。クライオスタットは、今回行った基本設計を基に、来年度に専用のものを設計・作成する。 画像センサー開発に向けて、検出器と組み合わせた画像センサーとしての試験に使うため、新たに赤外線レンズを購入した。また、画像センサーに必須となる透明電極についての研究を進め、新たな知見が得られた。それをまとめて論文として出版した(Suzuki, Wada, et al. 2012)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、前年度作成した2x2素子の評価を元に25x25素子を設計試作する予定であった。 しかし、前年度作成した2x2素子を評価したところ、設計に問題があり、正しく動作していないことが判明した。 そのため、本年度は設計しなおした2x2素子をもう一度試作する事にし、予定していた25x25素子は来年度行うことにした。 また、本年度、ヘリウムの供給事情が極端に悪化し、予定していた試験が十分にできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ヘリウム供給事情の改善がしばらく見込めないため、予定を変更して機械式冷凍機の導入をすすめ、液体ヘリウムの節約を図りつつ、 極低温での素子評価を進める。 今年度再試作した2x2素子読み出し集積回路を評価し、その結果に基づき、25x25素子の読み出し回路の設計・試作を行う。
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