研究課題
・エックス線観測衛星「すざく」を用いた白色矮星の観測データの解析を実施、白色矮星連星2天体における粒子加速の可能性を論じた。結果は査読論文にまとまりつつあり、「すざくMAXI国際会議」で成果発表を行った。また、次世代X線衛星ASTRO-Hを用いた白色矮星の観測計画を定量的に見積もり、計画を提案した。・エックス線観測衛星ASTRO-Hの較正情報・ソフトウェアの整備については以下の3点を特に進めた。(1) 各検出器の較正プランを精査、較正データベースの使用確定、(2)テレメとリーデータの出力フォーマットの確定、(3)高次データ処理ソフトの各検出器固有部の仕様確定。(1)および(3)に関しては日米欧の研究者を集め、それぞれ、日本で1日程度、米国で2日の小研究会を開催した。また、7月に米国、2月に愛媛で開催された「ASTRO-Hサイエンス会議」のソフトウェア較正セッションのチェアをつとめ、上記の成果の取りまとめを行った。また、ASTRO-Hの時刻付け精度計測に関しては、衛星搭載品を用いた検証実験を計画、指揮し、実際の計測を行った。・ガンマ線観測においては、ガンマ線望遠鏡CTAによる観測計画の議論に参加し、銀河系内の天体の観測可能性を定量的に議論した。・ガンマ線望遠鏡開発においては、CTA計画の焦点面検出器の基礎開発をすすめ、1800本納品された光電子増倍管の較正実験の立ち上げを行った。まだ較正実験自体は開始していないが、基礎特性を測定する試験系が立ち上がった。
2: おおむね順調に進展している
装置開発に関しては、X線・ガンマ線ともに、おおむね順調である。これらの観測装置を用いた白色矮星の観測計画も提案し、進められている。X線観測に関しては、すでに我々は10観測を実施し、合計710キロ秒もの観測データがある。順次、結果を国際会議や査読論文でまとめており、研究計画の約半分となる平成25年度末の時点で、約半数の観測のまとめが完了しているので、おおむね予定通りである。
X線・ガンマ線の装置開発に関しては、平成25年度までと同様に、次世代X線衛星ASTRO-Hと次期ガンマ線望遠鏡CTAの開発を続行する。ASTRO-Hに関しては、最終計画年度の頭に、初期観測が行われる予定でありそれに向けた開発等を行う。CTAも部分観測が最終年度末には実施できると期待できる。両観測装置への観測計画の策定と提案は、平成26年度も継続して行う。X線観測のデータ解析は次年度も継続して行い、査読論文にまとめる。特に、米国のNuSTAR衛星が我々とは異なる観測結果を提示してきているので、彼らの公開データと合わせ、白色矮星の観測データを精査する。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 4件)
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