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2011 年度 実績報告書

固体ニュートリノ検出器を用いた原子炉プルトニウムモニターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23340063
研究種目

基盤研究(B)

研究機関新潟大学

研究代表者

宮田 等  新潟大学, 自然科学系, 教授 (80192368)

キーワード原子炉 / ニュートリノ
研究概要

素粒子物理学の分野では、ニュートリノに質量が有ることを示すニュートリノ振動の測定が、最重要研究テーマの一つである。ニュートリノ振動角θ13は小さいので、原子炉ニュートリノの測定を行うときの系統誤差(1%程度)をより小さくするために、小型で安全で原子炉建屋内で使うことができる固体原子炉ニュートリノ検出器の開発を行ってきた。本研究はこれをさらに進めて、ウランとプルトニウムの核分裂によるニュートリノフラックスとエネルギースペクトルの違いから、原子炉燃料中のプルトニウム量を10%の精度でモニターできるシステムを開発しようとするものである。Gdをドープした安価なシンチレータの開発をミンダナオ大学の研究者と共に行う計画であるが、その前に、材料系の日本企業が試作したシンチレータサンプルを用いて、小型のプロトタイプ検出器を製作し、その性能評価テストを行った。また、ニュートリノ検出器の小型プロトタイプについてのシミュレーションも行った。
1)企業の協力のもと、厚さ3mm 程度のGd入りプラスチックシンチレータ板を試作した。このGd入りプラスチックシンチレータ板について、その発光量や光の減衰長の測定などをβ線源を用いて行った。この結果を現在、投稿論文としてまとめている。
2)Gd入りプラスチックシンチレータを用いて、ベンチテスト用の小型プロトタイプ検出器を製作した。これに対して中性子線源(Am/Be線源)を用いて、擬似ニュートリノ反応検出のベンチテストを行った。検出器に対する空気中や床からの中性子、γ線バックグラウンドを遮蔽するために、全体を鉛ブロックやボロン入りポリエチレンブロックで覆い実験を行った。その結果、擬似ニュートリノ反応イベントで生じる中性子を検出できた。また、この検出器のMCシミュレーションを行い、実験で測定された中性子捕獲時間(約20マイクロ秒)をほぼ再現した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

原子炉モニターに使用する新型のプラスチックシンチレータの製作に成功した。今後これの性能をさらに改善することと、大型化を行っていく。

今後の研究の推進方策

性能が良く安価なプラスチックシンチレータを開発するのは容易ではないが、現在までの知見をもとに、新型プラスチックシンチレータの量産を行っていく予定である。最終的な大型プロトタイプ検出器は、通常シンチレータも用いたハイブリッド型になる可能性もある。この大型プロトタイプ検出器について、擬似ニュートリノ線源をを用いて、ニュートリノ検出のテスト実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 原子炉由来の反電子ニュートリノ検出に用いる新型プラスチックシンチレータの開発2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤祐介、勝亦正明、宮田等、鈴木崇民、渡辺みのり、石田恭平、小野裕明
    • 学会等名
      日本物理学会新潟支部第41回例会
    • 発表場所
      日本歯科大学新潟生命歯学部
    • 年月日
      20121208-20121208

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公開日: 2014-07-24  

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