研究課題
平成27年度もMOA II 1.8m望遠鏡で発見されたマイクロレンズ事象を中心に61cm B&C望遠鏡で追観測を実施した。また、他のグループとも協力を呼びかけ、観測を行った。最近は、SpitzerやKepler衛星を利用した、宇宙からの観測もさかんに行われている。地上と宇宙からの観測で、視差が観測されれば、距離が決定され物理パラメーターが一意に決まる。今季はこれまでに、8個の惑星候補が発見され、詳しい解析が行われている。過去のデータ解析も進展し、6個の惑星が新たに確定し、学術誌に公表した。このうち2個は、海王星と同程度のスーパーアースであり、残りは巨大惑星である。これらを含めて、マイクロレンズ法による惑星は、46個になった。これらの発見された惑星の分布から、実際の惑星分布を求める研究もおこなわれている。鈴木らによって、惑星の質量分布が地球質量付近で頭打ちになることが判明した。理論的な説明は、まだ無いがこれは特筆すべき成果と考えられる。マイクロレンズ法のデータ解析は、従来代数方程式を解く方法で解析が行われて来た。しかし、この方法は惑星2個までの単純な系に限られていた。より多くの惑星のある惑星系に対しては、有効な方法が無かった。この問題を解決すべく、新しいアルゴリズムを開発し、惑星3個のシステムでも光度曲線を求めることができる様になった。また、副産物として6月に起きた冥王星による星の食の観測と、9月に起きたLIGOグループによる最初の重力波検出の追観測を行った。食の観測からは、名桜氏に大気があることが確認された。重力波に関しては、重力波源を特定するに至らなかったが、解析プログラムなどの整備につながり、今後が期待される。これらの成果は、学術誌の論文の他、毎年場所を変えて実施するマイクロレンズ研究会、天文学会などで公表している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 11件、 査読あり 11件、 謝辞記載あり 10件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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