本研究では、従来のダイノード型光電子増陪管に代わって、光増幅原理と呼ばれる新しい手法を用いる大口径光検出器の開発を目指している。より具体的には、高電圧で加速した光電子をシンチレータに打ち込んで得られる発光を真空管の外に設置したMPPC等の半導体検出器で読み取る。これにより光検出器の構造を単純化して高い量産差性を確保し、将来のニュートリノ実験等に役立てることを狙っている。 平成25年度においては、8インチ試作管の試験結果の詳細な解析を進め、検出器の時間応答に関する理解を 進め、約3の光増幅ゲインと、1ns以下の時間分解能を得るとともに、光検出効率や時間分解能の光入射位置に対する依存性などを調査した。さらに、現在使用している小型光電子増倍管に代わって、最終目標としているMPPC半導体検出器での読み取りを行うあめの準備を進めた。 以上の研究成果を「8th International Workshop on Ring Imaging Cherenkov Detectors (RICH 2013) 」(2013年12月)において発表した。
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