研究課題
ガンマ線バーストジェット中を伝搬する光子をモンテカルロ計算し、観測されるガンマ線バーストスペクトルと比較した。特に本年度は2重構造を持つガンマ線バーストジェットを想定した時、観測される冪型スペクトルを良く再現することを発見した。また論文投稿中段階ではあるが、同様の構造の下、期待されるガンマ線バーストの偏光度を評価した。我々の計算は、近年日本の衛星IKAROSで検出したガンマ線バーストの偏光度を説明出来る程度の強い偏光度を示し、大きな成果を挙げられたと確信している。その他、ガンマ線バーストに付随するジェット型超新星爆発の下での元素合成計算、及びそのような超新星が形成するであろう超新星残骸についての理論的研究も行い、順調な成果を挙げることが出来た。またコラプサーモデルを念頭に置きながら高速自転を伴う超新星コアの相対論的3次元流体計算を行い、重力崩壊とコアバウンス後初期の動的進化を詳細に調べた。その結果、非軸対称モードが従来よりも早いタイムスケールでコアバウンス後に成長し、銀河中心の超新星に対しては現在の重力波干渉計の検出限界に届く強い重力波が放射されることが分かった。またこの非軸対称な流体不安定性の存在により、乱流モードが従来の軸対称を仮定した計算に比べてより小さなスケールまでカスケードしてしまうので、3次元モデルで爆発を再現するのはより難しいことも明らかにできた。上述の爆発に際して放射される重力波(Kotake (2013))に加え、中性子星の冷却曲線、更には高エネルギーニュートリノについても考慮し、これらのマルチメッセンジャーのシグナルを総合的に解析することで如何に中心エンジンの動的進化の情報に迫れるか詳細な検討を行った。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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