研究課題/領域番号 |
23340074
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
志垣 賢太 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70354743)
|
研究分担者 |
杉立 徹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80144806)
|
キーワード | クォーク多体系 / 高エネルギー原子核衝突 / 粒子生成 |
研究概要 |
LHC加速器ALICE実験を遂行し、本研究計画の第一段階と位置付ける人類未到エネルギー領域の陽子相互衝突における粒子生成機構の理解確立に向けて、同年10月までに重心系衝突エネルギー7TeV積分輝度5pb^<-1>の陽子相互衝突事象を収集した。また、原子核相互衝突における素過程からの変位測定による非束縛クォーク挙動解明を目的に、同年11月に核子対あたり重心系エネルギー2.76TeV積分輝度144μb^<-1>の鉛原子核相互衝突事象を収集した。さらに、比較対照データとして、原子核衝突と同エネルギー(2.76TeV)での陽子相互衝突事象も収集した。 高性能光子検出器PHOSの較正および広範な基礎解析を基に本研究課題に係る物理解析を開発推進し、陽子相互衝突におけるπ^O中間子生成に関する学術論文を纏めて公表した。同時にPHOS検出器を用いて選別収集した事象データの有用性を明らかにした。 本年度の主要計画項目である陽子相互衝突における中性中間子生成の系統的測定において、新たな重要測定としてω中間子の3π崩壊過程に着目し、前述のPHOS検出器を用いた選別収集事象を活用して、高横運動量領域でのω中間子測定解析に初期成果を挙げた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い順調に研究を推進中である。
|
今後の研究の推進方策 |
引続きALICE実験を推進し、平成24年度には重心系衝突エネルギー8TeVにおいてより高統計の陽子相互衝突事象と、原子核相互衝突における変位機構解明の有力な対照データとなる陽子原子核衝突事象を収集する。後者はLHC加速器において初のデータとなる。当初平成24年に計画されたLHC加速器停止が平成24年末から18-20か月程度と長期化の予定である。これを踏まえ、本研究課題遂行に必要な衝突事象収集を当初計画より前倒しして行う。これに伴い、多種粒子測定における問題点洗出しと解析手法確立を平成25年度まで引続き重点頂目と位置付ける。
|