研究課題/領域番号 |
23340075
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小谷 太郎 早稲田大学, 理工学術院, 研究員 (80291920)
|
研究分担者 |
吉田 篤正 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80240274)
|
キーワード | 粒子測定技術 |
研究概要 |
本研究では、X線/γ線突発現象の検出に特化した、ランダム・ホールとコリメータを組み合わせた新しい光学系を開発している。この光学系は、現在用いられている符合化マスク方式とちがって高いアライメント精度を必要としないため、カメラの大量生産と大面積化が可能である。また国際宇宙ステーションに搭載予定のγ線バースト観測装置CALET-GBMは、この研究で開発するボアサイト・カメラとγ線バースト検出アルゴリズムが共通である。共通の環境を開発・利用して両者の開発を行なっている。 初年度には研究の立ち上げを行ない、マスクされたイメージを撮像するX線CCDカメラを選定し、アンドール社製裏面照射型CCD DX434BN(ピクセル・サイズ13μm、画素数1024×1024)を入手した。CCD駆動信号発生とADCには、同じくアンドール社製の提供する製品を採用し、これらはPCIカードでPCに接続可能である。制御ライブラリはLinux上で動作可能なものを用いる。青山学院大の真空槽、X線発生装置を用いて性能評価を行なう段階である。 また、本光学系の観測対象である、X線連星系の変動現象の研究を行ない、特にマイクロクエイザーCyg X-3のγ線を伴うフレア現象の観測に成功した。観測結果について、天文学会などで発表した。またX線連星系の変動現象の研究結果を3篇の英文論文として発表した。 さらに、科学成果の一般向けの還元・教育活動の一環として、科学解説書を2冊執筆し、発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、X線/γ線突発現象の検出に特化した新しい光学系を開発している。初年度の計画である、シミュレーションを用いる基本デザインからカメラの基本構造を決めた。現在、X線イメージ撮像用のCCDカメラの試験に入っている。また、光学系の観測対象であるX線変動天体を観測し、論文、学会発表などを行なった。以上より、研究の目的の達成度は、おおむね順調であると評価される。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度では、CCD撮像素子の性能評価を行ない、マスクパターンと組み合わせた位置決定能力の検証を行なう予定である。
|