研究課題
Nb3Al高磁場超伝導磁石の開発を目標にNb3Al線材の開発およびコイル試験を行った。具体的内容は以下のようである。1)先年度に引き続き、長尺前駆体線材の製作法の開発を目指して種々の断面構成を持つ線材試作を進めた。試作を予定していたミラー型四極磁石用線材の試作では、製作過程での断線を完全に抑えることは出来なかったが、約1.2 kmの線材(線径 0.7 mmの安定化銅付き線材)を製作することができた。また、Nbマトリックス線材でフィラメント間結合を抑制する新たな断面構成を持つ線材試作では、無断線で前駆体製作ができた。研究期間終了間際であったため、詳細な超伝導特性を評価するまでには至らなかったが、今後に期待の持てる結果であった。2)Nb3Al線材の磁化特性改善の試みでは、フィラメント間のNbバリアに新たな元素を導入する試みを行った。加工性が良く、前駆体製作過程での断線は生じず、今後に期待を持たせるものとなった。3)電流特性向上を目指した研究では、急熱急冷処理前のフィラメント内Al厚が電流特性にどのような影響を与えるかについて研究を行い、高電流密度を得るためのAl厚に関する指針を得た。4)長尺素線の製作が当初スケジュールより大幅に遅れたため米国Fermilabにおけるミラー型四極磁石用コイルの試作スケジュールの調整ができず、Nb3Al鞍型コイルの試作は出来なかった。代替として、高エネ研において以前から準備を進めていたNb3AlとNb3Snのレーストラックコイルを組み合わせた磁石の冷却・励磁試験を行なった。電源容量の制限によりNb3Alラザフォードケーブルの特性限界までの励磁は叶わなかったが、無事Nb3Alコイルの励磁に成功し、今後のNb3Al磁石開発に有益な知見を得ることができた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE Trans. Appl. Superconductivity
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