研究課題/領域番号 |
23340080
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
小林 仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 名誉教授 (80133099)
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研究分担者 |
松本 浩 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器科学支援センター, シニアフェロー (90132688)
吉岡 正和 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 名誉教授 (50107463)
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キーワード | ホウ素中性子捕捉療法 / 陽子加速器 / 中性子発生 / 核沸騰 / ブリスタリング / 水素脆化 |
研究概要 |
研究の目的は陽子加速器を用いた高強度中性子発生用の標的の開発を行うことである。BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の標的に見られるように、原子炉で実施されてきた治療を加速器を用いた治療に移行させることの要求が高まってきている。原子炉は中性子発生強度としては非常に高いものであり、ほぼ同等の強度の中性子を発生する標的を目標としていることである。つまり、従来から実績のある、せいぜい数ワットレベルの陽子ビームを標的に当てて中性子を発生するような場合と、ビーム強度の点で桁違いに高いビームの標的を開発することを目的としている。ビーム強度が高いことに伴ってクローズアップされる問題点を挙げると以下のようになる。①ターゲットに当たる単位面積あたりの熱量が大きく、その熱の処理②低い電流ではそう大きな問題とならないブリスタリングと呼ばれる水素脆化が発生する。場合によっては寿命が数時間という程のダメージを与える③強力な中性子を発生することで、中性子との原子核反応で発生する原子に注意が必要である。ごく微量であればそう大きな問題とならない例えばトリチウムのような副産物の発生に注意が必要。本年はこれらの問題点を入念にチェックした。熱問題では核融合炉の第1壁の冷却に必要な技術を調査、核沸騰領域の熱交換を行うこととしそのための冷却系の概念設計を行った。ブリスタリングについては論文等の調査を進め、原理的に強いと考えられる物質を探し、KEKのコッククロフトワルトン陽子加速器を用いて実際に陽子ビームを当てブリスタリングの発生を定量的に測定する測定系の開発を行った。23年度は準備を進め実際のビームを照射するのは24年度からである。陽子ビームの標的への照射により発生する中性子が引き起こす核反応を丹念に調べるとともに、計算により生成される物質が特に大きな問題となる放射性物質なくターゲット系を構築できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大強度の中性子発生標的の開発は順調に、熱問題、放射化物生成の評価が進んでおり、満足できる結果が得られて いる。一方、ブリスタリングについての試験準備も順調に進んでおり、これからコッククロフトワルトン加速器を用いての実験が開始される。
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今後の研究の推進方策 |
まずはブリスタリングの実験を進めることが最重要課題である。その結果から使用材料等を決定していくことになる。最優先でプロトンの照射実験をすすめる。
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