研究課題/領域番号 |
23340109
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
坂井 徹 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 教授 (60235116)
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研究分担者 |
中野 博生 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 助教 (00343418)
利根川 孝 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (80028167)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 量子スピン系 / フラストレーション / スピンギャップ / ナノチューブ |
研究実績の概要 |
スピンナノチューブのなかでも最も量子効果が大きく、フラストレーションが強いS=1/2三本鎖スピンチューブに着目し、理論的・計算科学的解析を行った。これまでの数値的厳密対角化と密度行列繰り込み群による研究により、鎖間相互作用が十分強い場合には、2つのユニットセルにおいてシングレット・ダイマーを敷き詰めた2倍周期構造が生じて、スピンギャップが開くことが示されている。一方、現実の候補物質となる強相関電子系では、最も強い2スピン間のハイゼンベルグ交換相互作用の次に強く効いてくるのは、4スピンのプラケット上におけるリング交換相互作用であることが知られている。そこで、このリング交換相互作用の効果を調べるため、最近接の2スピン交換相互作用からなる理論模型に、リング交換相互作用を加えて、これを次第に強くしたときに、基底状態がどのように変化するかを、数値的厳密対角化と有限サイズスケーリングを適用して研究した。その結果、リング交換相互作用が2スピン交換相互作用の数パーセントくらいの強さになると、量子相転移が起こり、新しいスピンギャップ相が実現することが判明した。詳細な有限サイズスケーリングの解析によると、この量子相転移点ではスピンギャップが閉じてギャップレスになること、従来のスピンギャップ相ではシングレット・ダイマーが同じプラケット上に生じやすいのに対し、新しいスピンギャップ相では、シングレット・ダイマーは同じプラケット上に並ばない傾向があることがわかった。この成果は、International Meeting on Spin in Organic Semiconductors(2014年10月13~17日、イーグレ姫路)で口頭講演として発表した。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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