研究課題/領域番号 |
23340126
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 英昭 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (00312992)
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キーワード | 火星 / 気候変動 / 水循環 / 火星探査 / 地下水 |
研究概要 |
火星には、かつて強い磁場があり、液体の水が大量に存在していたことから、生命が誕生した可能性が最も高い地球外天体は火星であると考えられている。本研究は、ここで重要となる火星における海と湿潤気候の有無について、「地下に海が存在した」という全く新しい仮説を提唱するとともに、火星固有の水循環の様式について検討しようとしている。今年度については実際に地形をマッピングする作業を開始することが最も重要な目標であった。そこで各種リモートセンシングデータの収集を進めるとともに、特にHebrus VallisおよびHephaestas Vallis地域を中心に、崩落地形のマッピングをTHEMIS IR(day)をベースマップとして行った。この際、特にアウトフローチャネルに着目して検討を進めたが、この陥没地域の地域的な分布をより具体的に明らかにするために、GISベースの定量的な陥没体積の計算手法を開発した。これを用いることで、流量の最大値が求まったため、これを地下の滞水層の水量と仮定して矛盾しないこどを初めて示すことに成功し、現在国際誌に投稿中である。これをさらに極域の堆積物や低地における堆積物の体積と比較したり、その地域性を議論することができるようになったことは、今後の議論を進める上で重要な進展であったと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた通りのマッピングを進めることができたことと、このマッピング結果を用いて具体的に最大流量を見積もる手法の開発に成功したことから、順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りマッピングを開始することができたので、グローバルマッピングを予定通り進行させる。海外において類似の研究を行っている研究者と連絡を取り合い、重複を避けるように工夫する。
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