多結晶体の非弾性ではマックスウエル周波数fm(=弾性定数/粘性)によるスケーリング則が知られているが、その有効性は規格化周波数f/fmが10の4乗より低い帯域で実験的に確認されたのみで,地震波に相当する帯域(f/fm = 10の6乗から9乗)で成り立つかどうか分からなかった。本研究では、アナログ物質を用いて多結晶体の非弾性をf/fm = 10の8乗まで測定し、地震波を含むf/fm = 10の4乗以上の帯域ではfmによる単純なスケーリング則が成り立たないことを明らかにした。このずれは、温度の上昇、粒径の増大、不純物の添加によって生じる非弾性緩和の促進によることも分かった。
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