研究課題/領域番号 |
23340128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
陰山 聡 神戸大学, 大学院・システム情報学研究科, 教授 (20260052)
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研究分担者 |
政田 洋平 神戸大学, 大学院・システム情報学研究科, 助教 (30590608)
宮腰 剛弘 海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (60435807)
大野 暢亮 兵庫県立大学, シュミレーション学研究科, 准教授 (50373238)
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キーワード | 地磁気 / 地球ダイナモ / バーチャルリアリティ / 可視化 |
研究概要 |
今年度は以下の3点について研究を行った。1.直方体ジオメトリでのMHDシミュレーション:地磁気は液体金属の対流運動によって生じているので、回転(自転)と磁場の影響下での液体金属の対流運動についての理解が不可欠である。今年度、直方体容器の中でのMHD流体の熱対流運動を解くシミュレーションコードおよび専用の可視化ツールを完成させ、水平一様磁場の印加された条件のもとでの対流運動、および、鉛直方向を回転軸とした速い回転の下での対流運動について詳細に調べた。水平磁場の下では、磁場方向に対流ロールが揃う現象(これは実験で観察されている)を確認しただけでなく、そのロール中の流線が螺旋型となっていること(これは実験では未確認であった)を見いだした。また、高速回転下での対流運動は対流の水平方向の空間スケールが小さくなることを確認した。2.3次元データ可視化フレームワークの開発:神戸大学に導入された没入型バーチャルリアリティ装置「π-CAVE」を使い、3次元シミュレーションデータを効率的に可視化・解析するためのフレームワークMultiverseを開発した。これにより、複数の可視化アプリケーションをπ-CAVEのバーチャルリアリティ空間に居ながら自由に切り替えることが可能となった。3.流れ場に凍り付いた磁力線の可視化手法の開発:磁気レイノルズ数が無限大の極限では磁力線が流れに凍り付く。この性質を利用して、流れ場の3次元構造を可視化するだけでなく、その流れによって磁力線がいかに引き延ばされ、捻られるかを可視化する新しい3次元可視化手法を開発し、実装した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画では今年度、流れ場に凍り付いだ磁力線の可視化を中心に、研究計画全体の基礎となるツールや手法開発を進める予定としていた。概ね当初の予定通り開発を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、地球ダイナモのシミュレーションを進めると共に、今年度開発した手法・ツール類を適用して、そのデータ解析を行っていく。また、京コンピュータでの計算を視野に入れ、コードの最適化をさらに進めていく。
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