研究課題/領域番号 |
23340130
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
宮町 宏樹 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 教授 (30182041)
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研究分担者 |
井口 正人 京都大学, 防災研究所, 准教授 (60144391)
八木原 寛 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 助教 (60295235)
三ヶ田 均 京都大学, 工学研究科, 教授 (10239197)
山岡 耕春 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70183118)
渡辺 俊樹 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50210935)
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キーワード | 火山現象 / アクロス / 地震波伝播特性 / 桜島 |
研究概要 |
今年度の最大の目標であった能動的な震源である弾性波アクロス(ACROSS : Accurately ContrblledRoutinely Operated Signal system)の設置と稼働を達成することができた。これにより、アクロスの人工信号波を定常的に発振し、既設地震観測網等によって観測される弾性波信号の変化の時間的推移によって、従来の受動的な地震観測や地殻変動観測だけでは検出困難であるマグマの動的変化を推定する研究目的を進める事ができる。 1.アクロス送信装置の設置と発振:鹿児島市桜島町のクリーンセンター跡地にアクロスを設置した。当初計画では、アクロス1台による発振を予定していたが、火山地域であること、および数値シミュレーションによる結果を考慮し、2台のアクロスによる発振に変更し、信号強度の増大を図った。また、軟弱地盤等の要因から、従来のアクロス振動台にパイルを打ち込み、アクロス信号の地盤への伝達を改善する新たな方策を採用した。アクロス本体の設置は2月に行われ、機器の調整後、3,月に発振した。 2.アクロス受信網の整備とアクロス信号の検出:アクロスの信号は非常に微弱なレベルではあるが、既設の火山観測網の一部の観測点により、アクロスの信号を確認することができた。 3震源特性および伝達関数の推定:予察として、アクロス信号波に基づき地震波伝播特性(伝達関数)を推定する予定であったが、実施できなかった。ただし、申請書に記載されているように、本格的解析は次年度からであるので、研究を進める上で何ら支障ではない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の最大の目標であったアクロス本体の設置と稼働を達成することができた。これにより、次年度以降の研究を進めることが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
アクロスの安定した稼働を維持し、既設地震観測網のデータを解析することにより、アクロスの人工信号波の変化を捉え、桜島の火山活動の推移との関係を明らかにすることを図る。
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