研究課題
stick slip地震の破壊伝播を詳細に調べるため、すべり面(断層面)近傍に高密度でひずみゲージを設置し、破壊伝播の様子を詳細に記録した。その解析より、岩石のS波速度を超える破壊伝播速度を持つ破壊(supershear rupture)がいくつか見つかった。これらの破壊は、一時的にsupershearモードで伝播するものの、ある程度墓伝播すると、通常のレーリー(Rayleigh)波速度以下の破壊伝播(sub-Rayleigh rupture)モードに移行して破壊を続けていた。破壊モードの遷移は、破壊先端における背景応力状態と密接に関わっていることが、実験において確かめられた。摩擦係数のスケール依存性の検証のためメートルサイズの大型実験試料(本件)とセンチメートルサイズの通常室内実験で使われるサイズの実験試料を用いて、同じ条件の実験データを比較し、大型試料の場合は、摩耗によって、応力不均質が生成され、その不均質がさらに断層面上の不均質な摩耗を進展させ、空間的に不均質に生成される摩耗物質が更なる応力不均質を作り出すというループの存在を発見し、その研究成果がNature誌に掲載された。岩石試料中にひずみゲージを埋込み、slow slipの発生及び成長、それに引き続くstick slip地震の発生をモニターすることに成功した。破壊フロントの応力歪状態を直接モニター出来たという点で、画期的なデータである。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
Nature
巻: 528 ページ: 254-257
10.1038/nature16138
Earthquake Science
巻: 28 ページ: 97-118
10.1007/s11589-015-0113-4