研究概要 |
日本南極地域観測隊の「しらせ」によってケープダンレー沖の陸棚域に2013年2月に設置した3地点の係留系の回収を「しらせ」によって2014年2月に実施した。しかしながら、今シーズンは海氷域が例年になく大きく拡がっており、3地点のうちの1地点については回収作業を実施することが出来なかった。この航海では、XCTD観測や海底地形測量についても予定していたが、海氷状況とシップタイムによる制約のため、予定の3割程度の実施に留まった。この航海で実施出来なかった項目については、2015年2月の航海で実施予定である。 ケープダンレー沖の海域での南極底層水の生成と変動について現実的な数値モデルを用いて再現することに成功し、2008-09年の係留観測による結果 (Ohshima, Fukamachi and Williams et al., 2013) と同様にこの海域での生成量が南極海全体の約10%であることを示した。その成果についてはJournal of Physical Oceanographyに投稿した (Nakayama, Ohshima, Matsumura, Fukamachi and Hasumi) 。 ケープダンレー沖での南極底層水の生成について、2009年の海鷹丸航海で取得した海洋の微細構造のデータを用いて解析を行い、海氷生成に起因する高密度水の流れによる乱流混合が底層水生成に重要な役割を果たすことを明らかにした。その成果についてはJournal of Geophysical Researchに投稿した (Hirano, Kitade, Ohshima and Fukamachi) 。
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