研究課題
かぐや衛星により月面近傍での太陽風イオン反射や粒子加熱が頻繁に観測され、月面磁気異常と太陽風の相互作用が強く示唆されている。磁気異常のスケールは太陽風イオン慣性長と同等またはそれ以下であり、この相互作用の本質的理解にはMHD近似ではなく太陽風プラズマの粒子効果を含めた解析が必須である。そこで本研究では、特にイオンスケールから電子スケールを含む高度100kmまでの領域に着目し、そこでの小型磁気圏形成とそれに関連した宇宙プラズマ現象について3次元全粒子シミュレーション解析を実行し、月面磁気異常領域のプラズマ環境を解明する。これまでのシミュレーションにより、磁気異常上空におけるプラズマ空間分布および電界形成に関してこれまでわからなかった新しい知見が得られた。太陽風と月面磁気異常の相互作用で形成される小規模磁場領域では電子は磁場に捕捉されるため、イオンと電子の挙動の違いによる電荷分離電界が局所的に発生する。それによって非磁化イオンも間接的に小型磁場の影響を受け、結果としてメソスケールの磁気圏が形成されることを明らかにした。平成26年度は、この知見を基盤として、3次元モデルシミュレーションを実施した。2次元シミュレーション同様に非対称のメソスケール磁気圏の形成、境界層電流の対流的構造などが新しくわかった。特に、これらの電流構造は主に電子の挙動によるものであることも確かめられ、そのメカニズムについても考察を行った。得られた新しい知見は国際学会において招待講演等で発表を行った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)
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