研究課題
1)ドレライト試料の自動瑪瑙乳鉢による粉砕時間の増加に伴って、非晶質物質含有量と非晶質物質に吸着した水分量が増加した。垂直応力2 MPaの粉砕ガウジの摩擦実験では、変位速度1.3 cm/s以下ではガウジ層の温度が100℃に達せず非晶質物質に吸着した水分が保持され、含水量の多い粉砕時間の長い試料ほど非晶質ガウジ粒子間の凝着力が増加し、摩擦強度が増加した。変位速度4 cm/sになるとガウジ層の温度が100℃以上に達し、非晶質物質が脱水して非晶質ガウジ粒子間の凝着力が消滅し、摩擦強度に粉砕時間による有意な差が認められなくなった。変位速度13 cm/s以上になると、脱水により生じた水蒸気によってガウジ層内の間隙圧が上昇し、水蒸気発生量の多い粉砕時間の長い試料ほど摩擦強度が低下した。2)窒素雰囲気中(酸素濃度0.1%程度)でドレライトの摩擦強度の背景温度依存性を調べ、大気中の実験結果と比較した。窒素雰囲気中のドレライトの定常摩擦係数は、室温では0.5程度、200~400℃では0.7程度でほぼ一定で、600℃では約0.76、 800℃では試料の破壊が著しく定常状態が得られず、1000℃では約0.91であった。ガウジ中の非晶質物質含有量は室温から200°Cにかけて増加した後、背景温度上昇に伴って減少する。このような非晶質物質含有量の温度変化は、大気中の場合と概ね類似している。大気中では800℃以下の温度で摩擦強度と非晶質物質含有量との間に負の相関が認められたが、窒素雰囲中でも背景温度上昇に伴って摩擦強度が増大し、非晶質物質含有量が減少する傾向が認められた。しかしながら、大気中とは異なり、窒素雰囲気中では摩擦強度と非晶質物質含有量との間に明瞭な負の相関関係は認められない。従って、ドレライトの摩擦強度と非晶質物質含有量の間には直接的な関係はないと考えられる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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