研究課題
研究では、日本海東縁ひずみ集中帯の地殻構造を地質学・地震学・岩石学・岩石物性学の分野横断の視点から理解し、地殻構造や地殻構成岩石が地震発生に及ぼす影響を解明しようとするものである。研究計画通り進展すれば、日本海東縁ひずみ集中帯に関して新たな知見を得ることが可能になり、ひずみ集中帯の地殻強度や地震発生場に関する理解の進展に大きく寄与すると期待される。本年度は以下の研究を実施した。(1)地震波速度データに基づき、日本海東縁から太平洋岸に至る東北本州弧の一部(北緯39-40度)の下部地殻の構成岩石を推測したところ、火山フロントおよび背弧側は角閃石斑れい岩であること、また、日本海東縁では角閃石輝石斑れい岩であると推測された。なお、この成果の一部を査読付き論文として投稿し受理された。(2)東北本州弧地殻の部分溶融によってできた珪長質岩の組成を検討したところ、火山フロントと背弧側であまり差がなく、何れも主に角閃石斑レイ岩が源岩と推定された。岩石鉱物の弾性波速度データと地震学のデータから得られた(1)の推測と、岩石学的研究から得られた(2)の推測は大局的には同じであるが、日本海東縁の下部地殻に関しては推測に関して僅かながらズレがある。翌年度以降の検討課題となった。
2: おおむね順調に進展している
最終年度を前に、日本海東縁の下部地殻構成を岩石鉱物の弾性波速度データ、地震学のデータ、岩石学的研究等に基づき多角的に検討できている。
より広範囲において日本海東縁の下部地殻構成を岩石鉱物の弾性波速度と地震波速度から推測し、岩石学的研究に基づき多角的に検討する。最終的にはひずみ集中帯の地殻構成の特徴を明らかにする。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
岩石鉱物科学
巻: 未定 ページ: 未定
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