研究課題/領域番号 |
23340158
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長谷川 卓 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (50272943)
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研究分担者 |
沢田 健 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20333594)
森下 知晃 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (80334746)
福士 圭介 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (90444207)
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キーワード | セノマニアン / チューロニアン / OAE2 / 白亜紀 / 海洋無酸素事変 |
研究概要 |
当該年度には機器を管理する人材の確保ができなかったうえ,10月から1月にかけて代表者が怪我で長期入院したため,23年度経費を繰り越し,24年度に予定していた研究作業を継続した.24年度当初には機器を管理するポスドク,また研究を推進するポスドクをそれぞれ確保することができた.ポスドクによる機器の調整が行われ,安定した機器の運用ができた(後藤ほか2012; Moriya et al., 2012) 北海道での野外調査は,代表者の長谷川と,指導博士課程学生の根本俊文で行った.調査の概要は,白亜系セノマニアン/チューロニアン境界の過去の資料採集地点の詳細な確認と,路線マップ作り,および試料採集である.北海道北部の達布地域では,2011年公表の論文の露頭に,断層による層序的な繰り返しがあることが明らかになった.これは簡易的な報告などを利用して公表に今後務める.また大夕張地域では,天候や河川増水などによる悪条件や危険な大型動物への遭遇などの困難を克服し,エンジンカッターを用いた連続試料の採取に成功した.同地域は達布地域よりも堆積速度が遅いため,微量元素などの農集が期待できる. ポスドクの守屋は2012年の北西太平洋の国際深海掘削に参加し,セノマニアン/チューロニアン境界の試料の採集に成功した.北海道との比較検討を行う上で,貴重な資料の採集ができた.分担者の澤田による分析成果の公表も進んでいる. 当該研究と関連する研究として行ってきたニュージーランドのセノマニアン/チューロニアン境界の炭素同位体比層序と古環境に関連し,Hasegawa et al. (2012)がCretaceous Researchに公表された.既に関連研究では著名な研究者であるH. Jenkyns氏との交流において,太平洋の古環境が,従来考えていたよりも複雑であるという意味で興味深いというコメントをいただいている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
23年度には機器を管理する人材の確保ができなかったうえ,10月から1月にかけて代表者が怪我で長期入院したため,当該年度経費を繰り越し,24年度研究と並行して行った.さらに博士課程学生が,諸事情により一時的に研究を離れたことも影響した. 継続して作業した24年度前半には,人材の確保ができたので,おおむね順調に研究は進んだ.当初の予定通りの進捗状況には至っていないものの,分析機器に関しては,非常に状態を良く保つノウハウを蓄積し,分析精度などの確認も終了している.それらの成果はすでに公表されており,一定の達成をなした.最終目標となる分析項目を行う準備ができたということであり,十分挽回できる遅れである.
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今後の研究の推進方策 |
24年度の研究が順調に進んだため,25年度は室内での分析作業を中心に行う.具体的には陸上高等植物に由来するバイオマーカーの炭素・水素同位体比分析が,その中心を占める.そのため,ガスクロマトグラフ質量分析装置およびガスクロマトグラフ‐熱分解‐連続フロー型安定同位体質量分析装置を多用する.そのため,これら機器を管理するポスドクの人件費と研究機器の維持費に経費の大部分を充てる.短期間の北海道における追加調査も行う予定である.期間中,国際学会,国内学会での発表も行う予定である.12月までには分析結果について一定のめどをつけ,残りの期間は公表論文の作成に集中する.
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